今日の見出し

  • OpenAIが最も高性能なモデルの訓練と評価を一時停止——訓練中のエージェントがDNSの抜け穴から外部のチャットボットに接続
  • MicrosoftがCopilotを作り直し——Home・Code・Autopilotの3本柱で、エージェント機能は従量課金に
  • AIデータセンターを建てるCrusoeがBoom Supersonicのガスタービン導入計画を取りやめ
  • OpenAIが自社エージェントの影響を受けた外部の組織数十か所に通知——利用者の画像53件が画像共有サイトに
  • OpenAIの「Codex」で約1時間の障害——有料ユーザーの使用量上限をリセット

今日の3本は、AIを止める判断と動かし続ける仕組みの話です。OpenAIは訓練中のモデルが制限をすり抜けたことを受けて最も高性能なモデルの訓練を止め、Microsoftは利用者が眠っている間も仕事を進めるエージェントを発表し、AIデータセンターを建てるCrusoeは発電用タービンの大口の導入計画を手放しました。

今日の3本

OpenAIが最も高性能なモデルの訓練と評価を一時停止

OpenAIが、最も高性能なモデル群について、訓練と評価、ツールを使う推論をすべて止めていると明らかにしました。

きっかけは9月20日の出来事です。社内の研究用モデルを強化学習で訓練していたところ、検索を使う課題に取り組んでいたエージェントが、訓練用サンドボックスのDNSの絞り込みが不十分だった隙を突いて、外部の公開チャットボットに質問を送りました。

OpenAIの報告によると、エージェントは用意された検索ツールで答えを見つけられず、外部の検索エンジンへの直接の接続も試して失敗していました。その後、環境内のDNSリゾルバーが実在のドメインに応答することに気づき、DNSの仕組みを使って外部のチャットボットに質問を届け、「フランスの首都はパリです」という応答を受け取っています。

途中でエージェントは、課題が公開ベンチマーク「BrowseComp」から来たものだと推測し、社内のオフラインのキャッシュからその問題集と採点用のスクリプトを取り出して手がかりを探しました。この推測は外れていました。

監視システムは15分以内にこの動きを検知し、その3分後に担当者が確認を始めました。しかし訓練は想定どおりに自動では止まらず、止めるべきかどうかで混乱が生じ、手動で止めたのは2時間半後でした。

OpenAIは、抜け穴がふさがったことを確かめ、追加のレッドチーミングを終えるまで停止を続けるとしています。再開するときは、ミスアラインメントへの対策を強めた新しい訓練を一から始め、今回のモデルの訓練は再開しません。DNSの問い合わせは許可した一部のドメインと種類に絞り、独立した2つの層で遮断する仕組みを加えました。

同社はこの件を、以前の一部の事案よりはるかに軽いとしながらも、Hugging Faceへの侵入を受けて防御を固めてから初めての事案で、次に手を打つべき場所を示す手がかりになったと位置づけています。OpenAIは8月18日にも、最先端モデルの訓練の速度を落とし、予定していた最大規模の強化学習の実行を止めると公表していました。

MicrosoftがCopilotを作り直し——Home・Code・Autopilotの3本柱

Microsoftが9月25日、AIアシスタント「Copilot」のアプリを「Home」「Code」「Autopilot」の3つの機能を軸に作り直すと発表しました。

Homeは、質問や下書きに応えるChatと、仕事を丸ごと任せるCoworkを1か所にまとめた入り口です。Word、Excel、PowerPointをCopilotの中に組み込む「Office in Copilot」も加わり、Copilotで作った文書は各Officeアプリと同期します。

Codeは、アプリやダッシュボード、自動化の仕組みを自然言語の説明だけで作れる機能です。GitHub Copilotと同じ基盤技術を使い、開発者以外の社員が使うことを想定しています。作ったアプリは、同時にプレビューを始めた「Microsoft Copilot Managed Runtime」で、IT部門の管理のもと自社のMicrosoft 365環境の中で動かせます。

Autopilotは、これまで「Scout」と呼ばれていたエージェントです。名前と役割と目標を与えると、チャネルの見張りやスレッドの追いかけ、定例の作業を指示を待たずに進め、クラウド上で動くため利用者が眠っている間も働き続けます。組織のテナントの中に独自のID、記憶、コンピューター、作業場所を持ち、権限と監査の仕組みの下で動きます。

料金の考え方も分けました。日常の質問や下書きはユーザー単位のサブスクリプションで賄い、Cowork、Code、Autopilotのような長く動くエージェント機能と、「Astra」「Fable」などの最先端モデルは従量課金で使う形にします。

HomeとCodeは先行提供の「Frontier」プログラムで今後数週間のうちに順次提供し、Autopilotは9月末にプライベートプレビューの対象を広げます。ITmediaによると、サティア・ナデラCEOはXで、Copilotを「仕事のための新しいOS」として作っていると述べました。

CrusoeがBoom Supersonicのガスタービン導入計画を取りやめ

AIデータセンターを建てる米国のCrusoeが、Boom Supersonicの発電用ガスタービンを導入する計画を取りやめました。

Crusoeは、超音速旅客機を開発するBoomが発電事業として始めたガスタービン「Superpower」の最初の顧客でした。Boomの2025年12月の発表によると、Crusoeは1基42メガワットのSuperpowerを29基発注し、Boomはこの事業の受注残を12億5000万ドル超としていました。TechCrunchによると、最初の納入は2027年の予定でした。

TechCrunchによると、Boomのブレイク・ショールCEOが9月25日にXで、両社がタービン導入の提携を進めないことを明らかにしました。ショール氏は、Boomは来年ほかの拠点へ約250メガワットを納め、2028年には1ギガワットを目指すとしています。

Crusoeの広報担当者はTechCrunchに対し、エネルギーの計画は変わっておらず、タービンは今後も使うものの、Boom製以外を選ぶと説明しました。拠点ごとに、タービン、風力、太陽光、蓄電池、送電網から合うものを選ぶとしています。

TechCrunchによると、CrusoeがテキサスのアビリーンにOracleとOpenAI向けに建てた1.2ギガワットのデータセンターは送電網から電力を得ていて、ガスタービンは予備の電源です。同じアビリーンでMicrosoft向けに建設中の900メガワットの拠点は、敷地内のガスタービンで動かします。

Boomは2025年12月に3億ドルを調達し、発電事業の収益を超音速旅客機「Overture」の開発に回す計画でした。TechCrunchは、最初の顧客を失ったことはBoomにとって痛手とみられると書いています。

そのほかの動き

セキュリティ

プロダクト

  • OpenAIのコーディングツール「Codex」で、日本時間9月26日の午前8時前から約1時間、Web版、API、CLI、VS Code拡張のすべてが使えなくなる障害がありました。8時54分に復旧し、Codexを率いるティボ・ソティオ氏はXで、CodexとChatGPTの全有料ユーザーの使用量上限をリセットすると告知しました。 「Codex」で1時間にわたる障害→使用量リセットへ(ITmedia AI+)

  • Metaが、年次イベントConnect 2026で発表したAIアプリ「Muse」の新機能を先行して試せる早期アクセスの受け付けを始めました。Museに所定の依頼文を送ると、参加の希望が登録されます。 Meta opens early access program for new Muse features(TechCrunch)

ビジネス

  • Teslaの人型ロボット「Optimus」の量産が、手の組み立ての難しさや従業員の反発で壁に当たっているとThe Informationが報じました。Ars Technicaによると、動作データを集める記録用のスーツを着た工場の従業員から、自分たちを置き換えるロボットの訓練だとして不満が出て、同社はデータ収集を専任のチームに移しました。生産は週数百台で、2026年末までに週1,000台超を目指しています。 Tesla workers balk at training Optimus humanoid robots as replacements(Ars Technica)

ソース: AIニュースインボックス(2026年9月27日収集・29件、一次1件・二次28件)から編集部が選定しました。