今日の見出し
- AppleがMacの「フルディスクアクセス」を厳格化へ——AIエージェントの普及でリスクが大きく高まると説明
- 米司法省が3億ドル超のAIサーバーを中国へ密輸した罪で企業オーナーを起訴・逮捕
- Anthropicが1億ドルを投じ、企業でAIを導入するエンジニア1万人を2027年末までに育成
- NVIDIAがメモリ64GB版の「DGX Spark」を4,999ドルから発売へ
今日の3本は、AIに渡す鍵を誰が持つかという話です。Appleはアプリがエージェントとして利用者のデータ全体に触れる経路を絞る方針を示し、米司法省は許可なくAI向けのサーバーを中国へ送った人物を起訴しました。
Anthropicは、企業の中でAIを本番の仕組みに組み込む技術者を、自社のエンジニアと同じ基準で育てる取り組みを始めました。
今日の3本
AppleがMacの「フルディスクアクセス」を厳格化へ——AIエージェントの時代に向けた見直し
Appleが10月2日、Macでアプリに与える「フルディスクアクセス」の権限に新しい管理の仕組みを加えると開発者向けに発表しました。
フルディスクアクセスは、バックアップアプリが正しく動くように設けられた権限で、Appleによると、利用者のデータを守るための通常の管理をほぼ迂回します。Appleは、一部の開発者がこの権限を使い、利用者が十分に理解しないまま、ファイルやメール、メッセージ、閲覧履歴までをさらしていると指摘しました。メッセージアプリの場合は、やり取りの相手のプライバシーまで損なうとしています。
今後は、この強い権限を本当に与えたい利用者が「非常に明示的な操作」を経たときだけ与えられるようにします。Appleは「AIエージェントの能力と自律性が高まるにつれ、この水準のアクセスに伴うリスクは大きく高まる」と書いています。実施の時期は示していません。
TechCrunchとThe Vergeによると、発表の前には、Inc.のコラムニストが、MetaのAIアプリ「Muse」が自分のメッセージの中身を知っていたと報じていました。Metaの広報は、メッセージの読み取りにはフルディスクアクセスとメッセージ連携の両方を利用者が有効にする必要があると反論しています。
- Updates to Full Disk Access in macOS(Apple Developer)
- Apple says it's tightening macOS 'Full Disk Access' controls due to new risks from AI agents(TechCrunch)
- Apple will limit Mac disk access as AI agents 'substantially' increase risk(The Verge)
米司法省が3億ドル超のAIサーバー対中密輸で起訴——マレーシアとシンガポールを経由
米司法省が10月1日、輸出規制の対象となる高性能サーバー3億ドル超ぶんを中国へ密輸したとして、カリフォルニア州の技術企業Earthmade Computerのオーナー、グレッグ・ルイ被告(38)を逮捕したと発表しました。
起訴状は9月29日付で、罪状は輸出管理改革法と輸出管理規則への違反の共謀、密輸出、マネーロンダリングの共謀の3つです。司法省によると、被告らは米国のメーカーに輸出許可の要らない行き先を記した虚偽の書類を出してサーバーを買い、マレーシアやシンガポールへ送ったうえで中国へ再輸出しました。
起訴状が挙げる一例では、被告は2024年1月にサーバー27台を約761万4,000ドルで米メーカーに発注し、ロサンゼルスからクアラルンプールへ送りました。同年3月には共謀者がマレーシア政府の担当者に、27台を中国の買い手へ転送したとメールで伝えています。有罪となった場合の上限は、共謀と資金洗浄がそれぞれ禁錮20年、密輸出が10年です。
Ars Technicaによると、FBIは対象にNVIDIAのA100とH100が含まれていたとしています。司法省の発表文は、AIを指す語として、政権が採用を進める「超知能(SI)」を使っています。
- California Man Arrested for Smuggling More Than $300 Million in Export-Controlled Computer Servers to China(米司法省)
- US arrests tech CEO accused of smuggling $300M in Nvidia chips into China(Ars Technica)
Anthropicが「Claude Frontier Academy」を開設——1億ドルでAI導入エンジニア1万人を育成
Anthropicが10月2日、企業でAIを本番の仕組みに組み込むエンジニアを育てる「Claude Frontier Academy」を始めると発表しました。
1億ドルを投じ、2027年末までに「Frontier Deployed Engineer(FDE)」を1万人育てる計画です。最初の受講者は、Accenture、Bain、Capgemini、オーストラリア・コモンウェルス銀行、Deloitte、McKinsey、Morgan Stanley、Novo Nordiskなどのエンジニアです。
最初のプログラム「FDE Residency」は、医師の研修にならった設計です。受講者はまず数日間の対面研修で、企業への導入を模した課題に、用途の選定からセキュリティ審査、引き継ぎまで通しで取り組み、実技試験に合格すると12週間の実地研修に進みます。実地研修では自社でClaudeの実案件を率い、最後の評価に通るとFDEの認定を受けます。最初の認定者は2027年初めの見込みです。
研修はサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンで開き、参加は企業からの推薦制です。Anthropicによると、既存の「Claude Partner Network」では4万6,000社の専門職が17万5,000件を超えるClaudeの認定を取得しています。
そのほかの動き
プロダクト
- NVIDIAが、小型のAI開発用コンピューター「DGX Spark」に、メモリを64GBに抑えた構成を加えると発表しました。Acer、ASUS、Dell、Gigabyte、HP、MSIが10月23日から4,999ドルからの価格で販売します。単体で最大1,000億パラメータのモデルを動かせ、2台をつなぐとQwen 3.8 27Bでの試験で1台の最大1.7倍の性能が出たとしています。PC Watchによると、NVIDIAはメモリの供給制約とコスト上昇を理由に、128GB版のFounders Editionを6,950ドルに値上げしました。 NVIDIA DGX Spark 64GB Gives Developers More Ways to Build and Scale Local AI(NVIDIA) / メモリ64GB版「DGX Spark」登場。4,999ドルで、128GB版は値上げ(PC Watch)
- NVIDIAが、現行版が2019年に登場したストリーミング端末「Shield TV Pro」の価格を10月2日から299ドルに上げました。Ars Technicaに対しNVIDIAの広報は、メモリを含む部品のコストが業界全体で大きく上がったためと説明しています。 The 7-year-old Nvidia Shield TV is now $100 more expensive due to AI(Ars Technica)
その他
- ローマ教皇レオ14世がXへの投稿で、「人工知能の時代に、人間の芸術と機械が生み出すものを見分けることが急務になっている」と述べ、両者のあいだには美的な違いより先に存在論的な違いがあると書きました。TechCrunchが伝えています。 Pope Leo XIV is not a fan of AI-generated art(TechCrunch)
ソース: AIニュースインボックス(2026年10月3日収集・30件、一次11件・二次19件)から編集部が選定しました。