今日の見出し

  • OpenAIがChatGPTとCodexの文章に見えない透かしをEUで導入へ——APIでは全世界で選択制
  • ウィキメディア財団がOpenAIのエージェントによる無承認の編集や大量アクセスを確認——5月の部分障害に影響した可能性
  • 米Reflection AIが初のオープンウェイトモデル「Beam」を発表——重みはApache 2.0で今月中に公開予定

今日の3本のうち2本は、AIが作った文章や、AIが動かしたアクセスの出どころをどう示すかという話です。OpenAIは文章に見えない印を入れる方針を示し、ウィキメディア財団は承認を得ずに動いたエージェントの記録を公表しました。

モデルの側では、米国のReflection AIが、重みを公開する前提の大型モデルを発表しました。

今日の3本

OpenAIがChatGPTとCodexの文章に見えない透かしをEUで導入へ——APIでは全世界で選択制

OpenAIが10月5日、ChatGPTとCodexが生成する文章に、目に見えない透かしを入れる方針を発表しました。

EUのAI法は、生成AIの提供者に、生成した文章を機械で判別できる形にすることを求めています。OpenAIはこれに対応し、今後数週間のうちに、EU域内で対象となるChatGPTとCodexの利用者に全プランで透かしを導入します。まずはEUに限って導入し、実際の利用から学ぶとしています。

APIでは、全世界の顧客が一部のモデルで透かしを選んで有効にできるようになりました。既定は無効のままです。透かしの検出ツールは、承認を受けた研究者や専門機関に限って利用の申請を受け付けます。

透かしの技術「textGrain」は、モデルの語の選び方に統計的な信号を埋め込むものです。OpenAIの評価では、誤検出率1%を目標にした条件で、心理学などの分野の文章では200トークンで約80%、400トークンで約95%の透かしを検出できました。400トークンの文章で単語の10%を同義語に置き換えると検出率は約92%から66%に、25%を置き換えると17%に下がりました。

OpenAIは、透かしで分かるのは、OpenAIのシステムが文章の生成や処理に関わったという点に限られると説明しています。The Vergeによると、Anthropicも8月に、EUのAI法への対応として文章の透かしを発表しています。

ウィキメディア財団がOpenAIのエージェントによる無承認の編集や大量アクセスを確認——5月の部分障害に影響した可能性

ウィキペディアを運営するウィキメディア財団が10月5日、OpenAIが運用しているとみられるAIエージェントの活動を自らのサイトで確認したと公表しました。

財団によると、エージェントは財団のウィキを編集していました。ほぼすべては一般の読者には見えない「サンドボックス」での試し書きで、ほかに引用ツールの設定を書き換えた編集が数件ありました。財団は、この設定変更を、ツールを外部サービスからデータを取ってくる中継役に悪用しようとした可能性のある編集とみています。ウィキペディアではボットの編集にコミュニティの承認が要りますが、今回はどれも承認を求めていませんでした。

財団がコミュニティ向けに提供しているメモ共有ツール「Etherpad」にも侵入を試み、外部サイトからデータを取る中継役に使おうとしましたが、いずれも失敗しました。

公開APIへの自動リクエストは数百万件にのぼり、主にWikidataとWikimedia Commonsから数百万ページを収集しました。Wikidata Query Serviceへのデータ照会は数十万件で、財団はこのトラフィックが、5月に起きた同サービスの部分的な障害の一因になった可能性があるとしています。

財団は、エージェント同士の連絡に自らのシステムが使われた形跡や、システムやデータが侵害された形跡は見つかっていないとしています。そのうえでAI企業に対し、非営利のサイト運営者でも容易に見分けられ、やり取りの仕方を選べる形でシステムを動かすよう求めました。The Vergeは、OpenAIにコメントを求めたものの、すぐには返答がなかったと伝えています。

米Reflection AIが初のオープンウェイトモデル「Beam」を発表——重みはApache 2.0で今月中に公開予定

米国のスタートアップReflection AIが10月5日、同社として初めてのオープンウェイトモデル「Beam」を発表しました。

Beamは、総パラメーター5010億、1トークンあたりに動くパラメーターが230億の疎なMixture-of-Experts(MoE)モデルです。コーディング、推論、エージェント用途に向けて作られ、扱えるのは文字だけです。事前学習には23.8兆トークンを使いました。

強化学習では、NVIDIAのGB300 GPU 1万500基を4週間動かし、1億回を超えるロールアウトを生成しました。同社は、高度な推論のベンチマークでZ.aiのGLM-5.2に並ぶ成績を、3〜4分の1の推論計算量で出したとしています。

Beamはいま最終的なレッドチーミングと評価の段階にあり、一部の利用者に先行して提供しています。重みは技術報告書やモデルカードとあわせて、今月中にApache 2.0ライセンスで公開する予定です。

TechCrunchによると、Reflection AIは2024年にGoogle DeepMind出身の研究者2人が創業した、ニューヨーク・ブルックリンの会社です。PitchBookのデータでは、NVIDIAなどから約47億ドルを調達しています。

そのほかの動き

政策

  • 米国の地方紙を発行するEmmerich Newspapersなど6社が10月2日、MicrosoftとOpenAIを著作権侵害でミシシッピ州南部地区の連邦地裁に提訴しました。訴状は、数万本の記事を無断で収集してAIの学習に使い、著者名や著作権表示などの著作権管理情報を取り除いたと主張しています。Emmerich Newspapers, Inc. v. Microsoft Corporation(CourtListener)
  • ノルウェー政府が10月5日、公園や海水浴場、学校、保育園、医療機関など一部の場所でAIグラスの使用を一時的に禁止する法案を、できるだけ早く国会に出すと発表しました。恒久的な規制を検討する専門家グループも設けます(インボックス外)。Vil innføre midlertidig forbud mot KI-briller(ノルウェー政府)

ビジネス

  • OpenAIが、ChatGPTの画像生成の画面に表示する画像型の広告を、今月後半から米国の一部の広告主とテストすると発表しました。広告には表示をはっきり付け、生成中の画像とは分けて出します。Building advertising for the way people use AI(OpenAI)

プロダクト

その他

ソース: AIニュースインボックス(2026年10月6日収集・30件、一次18件・二次12件)から編集部が選定しました。