今日の見出し

  • Anthropicが株式の5%を新設の公益基金に——企業価値が50%上がるごとに2%を上乗せできる仕組み
  • DisneyがCharacter.AIの社員の過半を雇用——提出資料では少なくとも60人に年6,000万ドルの報酬
  • NVIDIAの「RTX Spark」を積んだWindowsノートが発売——ASUSやDellなど6社・2,399ドルから
  • DeepSeekが自社の検索エンジンを使う「Search API」と「Fetch API」を一般に開放

今日の主役は、AI企業が生んだ価値と人材がどこへ向かうかです。Anthropicは、会社が大きくなるほど公益に回す株式を増やせる基金を新しく設けると発表しました。Character.AIでは、破産の申請より前に社員の過半をDisneyが雇う合意ができていたことが、裁判所への提出資料から分かりました。

今日の3本

Anthropicが株式の5%を新設の公益基金に——企業価値が50%上がるごとに2%を上乗せできる仕組み

Anthropicが10月18日、自社の株式の一部を新しく設ける「Anthropic Public Benefit Fund」に充てると発表しました。

株主の承認を条件に、まず株式の5%をこの基金に充てます。さらに、会社の価値があらかじめ決めた基準から50%上がるごとに、取締役会の判断で2%ずつ上乗せできる仕組みです。

基金は、米税法上の非営利団体(501(c)(3))ではなく、Anthropicが全額を持つLLCとして設けます。寄付の形を柔軟に変えられるようにするためで、伝統的な非営利団体への大口の寄付や、特定の人々への直接の分配も検討するとしています。基金が持つ株式の使い道からは、米国の内外を問わずロビー活動と政治献金を外します。

同社は使い道の例に、AIが労働市場に与える影響を挙げました。この問題の調査と対策には、すでに2億ドルを充てると約束しています。

共同創業者は創業時に自らの持ち株の80%を寄付すると誓約しており、社員が寄付を誓約した株式に会社が上乗せする制度には、社員の約半数が参加しています。今回の基金と合わせると、株式の約20%が公益に充てられる計算になると同社は説明しています。基金の構造や統治、上乗せの条件になる企業価値の基準は、今後数か月で公表する予定です。

DisneyがCharacter.AIの社員の過半を雇用——提出資料では少なくとも60人に年6,000万ドルの報酬

10月12日に米連邦破産法11条の適用を申請したCharacter.AIの社員の過半を、Disneyが雇う合意の中身が伝えられました。

TechCrunchによると、Bloombergが見つけた裁判所への提出資料で、Disneyは少なくとも60人の社員に雇用を申し出ることに合意しており、年間の報酬は推計で6,000万ドルにのぼります。この60人が社員の過半にあたり、申し出を受けた社員の「大多数」が受け入れたとしています。

デラウェア州の破産裁判所に出された、Character.AIが投資銀行として起用するHoulihan Capitalのマネージングディレクター、アダム・ドゥナイヤー氏の宣誓供述書によると、DisneyはCEOを含む社員の過半を、破産の申請より前に雇うことに合意していました。2,000万ドルの対価のうち750万ドルを申請前に前払いする内容で、Disneyに移った社員は最長5か月、Character.AIのサービスの運営を手伝います。

Disneyの入札は、ほかの買い手がより高い条件を出せる「ストーキングホース」の形です。TechCrunchによると、提出資料は、Character.AIが多くの熱心な利用者を抱えながら、高い費用と訴訟や規制当局への対応の負担に苦しんでいたとしています。

NVIDIAの「RTX Spark」を積んだWindowsノートが発売——ASUSやDellなど6社・2,399ドルから

NVIDIAのチップ「RTX Spark」を積んだWindowsのノートPCが発売されました。

NVIDIAによると、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft、MSIの6社が製品を出し、価格は2,399ドルからです。ほかのメーカーの製品も続くとしています。

RTX Sparkは、BlackwellのRTX GPUとGraceのCPUを1つのチップにまとめたもので、AIの演算性能は最大1ペタフロップス、CPUとGPUが共有するメモリは最大128GBです。手元でAIを動かせる薄型の高級ノートとして売り出しています。

発売に合わせて世界6か所で記念イベントを開き、ベルリンの会場には創業者でCEOのジェンスン・フアン氏が姿を見せました。

そのほかの動き

モデル・API

  • DeepSeekが10月17日、「V4.1-Flash」の改良版と同時に、自社の検索エンジンを使う「Search API」と、指定したWebページの中身をMarkdownで返す「Fetch API」を一般に開放しました。料金はどちらも成功したリクエスト1,000件あたり0.75ドルです。DeepSeek Harness、Claude Code、Codexからサーバー側のツールとして呼ぶ分は当面無料で、10月31日16時(UTC)から課金が始まります。Search & Fetch(DeepSeek API Docs)

研究

  • フランチェスコ・マッジ氏が、テレンス・タオ氏のブログへの寄稿で、AIによって数学と科学が「黄金時代」と「暗黒時代」のどちらに向かうかを論じました。少数の企業が最先端のAIを握ることで学術との間に生まれる能力の差に懸念を示し、大学や学会、研究資金の配分機関が協力して研究のためのAIの基盤を築くよう提案しています(インボックス外)。Will it be a golden age or a dark age for mathematics (and science)?(Terence Tao)

その他

  • 米フィラデルフィアで、Uberの配達ロボットの前に立ちふさがり、警察に退くよう求められても応じなかった女性が逮捕され、治安を乱す行為の罪で訴追されました。The Vergeによると、女性は地元テレビ局に、ロボットが人間の配達員の仕事を奪っているとして見かけるたびに抗議してきたと話しています。A woman was arrested in Philly for blocking a delivery robot(The Verge)

ソース: AIニュースインボックス(2026年10月19日収集・8件、一次2件・二次6件)と、インボックス外から編集部が加えたテレンス・タオ氏のブログへの寄稿から選定しました。