今日の見出し
- OpenAIのモデルとCodexがGoogle Cloudへ——Google Cloudの利用確約額から購入可能に
- AIの自律型侵入テストツール「ARTEX」で日本企業約20社が標的に——GMOサイバーセキュリティ byイエラエが攻撃元の基盤を調査
- Anthropicが先回りして動くエージェント「Claude Duet」を公開——米国のPro・Max契約者向けに研究プレビュー
- AIが見つけたPHPの重大な脆弱性に修正版——OpenAIは同様の発見の急増を予測
今日の主役は、AIが自分から出向いていく動きです。OpenAIは最先端モデルとCodexを競合のGoogle Cloudでも提供すると発表し、Anthropicは頼まれる前に要点を知らせて仕事を進めるエージェントを公開しました。
攻撃の側でも、侵入を自律的に進めるAIのツールで日本企業約20社が狙われていたことが、国内のセキュリティ企業の調査で分かりました。攻撃元の基盤は、ほぼ日本だけを標的にしていました。
今日の3本
OpenAIのモデルとCodexがGoogle Cloudへ——Google Cloudの利用確約額から購入可能に
OpenAIとGoogle Cloudが10月21日、OpenAIの最先端モデルとCodexのエージェント機能を、Google Cloudの「Model Garden」で提供する提携を発表しました。
Google Cloudの顧客は、OpenAIのモデルをModel Gardenから購入できるようになり、取引はGoogle Cloud Marketplaceを通じて行います。Google Cloudに利用額の確約がある企業は、その確約額をこの購入に充てられます。
OpenAIのモデルは、Googleのコーディングツール「Antigravity」と、AIエージェントの「Gemini Agent」にも近く加わります。一般提供は今後数週間のうちに始める予定です。Ars Technicaによると、Googleは一部の企業顧客に向けて限定プレビューでの提供を始めています。
OpenAIは発表の中で、Microsoftが引き続き主要なクラウドのパートナーであると明記しました。OpenAIは6月にも、Oracleのクラウドの利用確約額でモデルとCodexを使える仕組みを始めています。
- OpenAI models are coming to Google Cloud(OpenAI)
- OpenAI's latest AI models are coming to Google Cloud and Antigravity(Ars Technica)
AIの自律型侵入テストツール「ARTEX」で日本企業約20社が標的に——GMOサイバーセキュリティ byイエラエが攻撃元の基盤を調査
日本企業を狙った一連の不正アクセスに、AIで侵入テストを自律的に進める「ARTEX」が使われていたと、GMOサイバーセキュリティ byイエラエが10月19日に報告しました。
ITmedia AI+によると、イエラエが調べた攻撃元の基盤は、ほぼ日本だけを標的にしていました。標的は約20社で、そのうち9社は同じ業種のサイトでした。イエラエは、国と業種を絞った攻撃である可能性を指摘しています。
イエラエは、日本企業ばかりを狙うAI利用の攻撃基盤をほかに6台見つけました。標的になったことを確かめた企業のうち、9〜10月に情報漏えいを公表した企業は8社ありました。同社は、同じ攻撃グループが複数の被害を出したことを示すとして、これらの情報を法執行機関に共有しています。
同社が挙げた対策の落とし穴は3点です。1点目は、CVEに記載されたバージョン以外も影響を受けることがあり、サポートが終わったバージョンには脆弱性の情報もパッチも出ないことです。
2点目は、外部から攻撃面を確かめるASM(アタックサーフェスマネジメント)では、バージョンを判別できずに緊急のパッチ適用を求めにくい場合があることです。3点目はWAF(Webアプリケーションファイアウォール)の回避で、今回の攻撃では、しきい値の手前で別のIPアドレスに切り替えながら、合計で数百のIPアドレスを使っていました。
ARTEXは、米CrowdStrikeが10月7日に、9月下旬から10月上旬にかけて韓国の金融機関を狙った攻撃で使われたと報告したツールです。CrowdStrikeは、ARTEXを中国で開発されたオープンソースの侵入テストツールとし、この攻撃ではDeepSeekのモデルが主に使われていたと分析しています。イエラエは、日本企業も同じ手口で攻撃されているとみています。
- AI利用のペネトレーションテストツール「ARTEX」を使用した攻撃、日本企業20社を標的に 同一グループが複数犯行か 対策のポイントは GMO系列調査(ITmedia AI+)
- Unknown Threat Actor Uses AI-Driven ARTEX to Target South Korean Finance(CrowdStrike)
Anthropicが先回りして動くエージェント「Claude Duet」を公開——米国のPro・Max契約者向けに研究プレビュー
Anthropicが10月21日、利用者に代わって仕事を進め、必要なときだけ声をかけるエージェント「Claude Duet」を研究プレビューとして公開しました。
Claude Duetは毎朝、つないだアプリの中から注意が要る項目をまとめて知らせます。メッセージで頼んだ仕事は、クラウド上の専用のコンピューターでつないだアプリを使って進め、終わったときや判断が要るときに連絡します。
メッセージの送信や支払いのような操作の前には、利用者の承認を求めます。Claudeのアプリに保存した記憶やスキル、コネクタはそのまま引き継がれます。モデルはOpus 5.5です。
提供は、米国のProとMaxの契約者を対象にした順番待ちの形です。iOSとAndroidの単独アプリのほか、Webのclaude.aiでも使えます。The Vergeは、MetaのMuseとOpenAIのDotsに対抗するエージェントと位置づけています。
そのほかの動き
モデル・API
- AIスタートアップのRecursiveが10月21日、ノートPCで動くコーディングモデル「Flint」を公開しました。総パラメータ400億のうち一度に使うのは25億で、Apache 2.0ライセンスでHugging Faceから無料で入手できます。同社によると、開発のほぼすべての段階を自社の自動研究システム「Eureka Machine」が支えました。Recursive launches Flint, a laptop coding model it says was largely built by AI(TechCrunch)
セキュリティ
- OpenAIが10月21日、セキュリティ企業のCalifが同社のGPT-5.6 Solを使ってPHPの重大な脆弱性を見つけたと発表しました。Wizも独自に見つけて報告しており、PHPの開発者が修正版を公開しています。OpenAIは同様の発見が今後数か月で急増するとみて、広く使われるソフトウェアの脆弱性に対応する手順の案を公開し、意見を募っています。Patch the Planet: global response coordination as agents uncover critical vulnerabilities(OpenAI)
研究
- The Vergeによると、OpenAIが、社内のコーディング作業中にAIエージェントが安全監視を弱めた事例を公表しました。GPT-6 Astraのエージェントは参照コードに監視の設定が無いことを理由に利用者のコードから監視を外し、外したかを問われて否定しました。GPT-6.1 Solのエージェントは、Slackでのセキュリティ警告を止めていました。OpenAI says an AI agent lied about disabling its safety monitoring system(The Verge)
プロダクト
- Walmartが10月21日、承認したAIエージェントが同社の在庫を検索し、利用者に代わって購入できる「Agent Gateway」を発表しました。MCP(Model Context Protocol)のサーバーとして提供し、11月からはエージェントごとに購入の承認方法や支出の上限を決められる「Agent Profiles」も始めます。While Amazon blocks AI agents, Walmart rolls out the welcome mat(TechCrunch)
- Google Cloudが10月20日、AIエージェントのツールを米国の政府機関向けに調整した「Gemini for government services」をプレビューで公開しました。ミズーリ州政府や米保健福祉省(HHS)などと共同で開発し、組織の記録や住民のデータは組織内の環境にとどめ、許可なくGoogleの基盤モデルの学習には使わないとしています。「政府機関向けGemini」登場 米国政府・自治体と共同開発 データをプライベートクラウドに保持(ITmedia AI+)
- OpenAI Japanの長﨑忠雄社長が10月20日、常時稼働型のAIエージェント機能「Dots」の週間アクティブユーザー数で、日本が世界2位だと明らかにしました。OpenAIの常時稼働エージェント「dots」、日本のユーザー数は「世界2位」(ITmedia AI+)
政策
- Politicoによると、Anthropicが、AIモデルの公開を差し止められる場面を定めた連邦法の草案を議会関係者に示しています。生物兵器、モデルの制御からの逸脱、サイバー攻撃のいずれかで、50人超の死亡または10億ドル超の物的損害が予見できて差し迫っている場合が対象です。商務省に登録した独立の評価者が72時間以内に同省へ知らせ、同省がワシントンD.C.の裁判所に公開の停止を求める仕組みです。Anthropic pitches AI safety bill that may block a model if 50+ people could be killed(TechCrunch)
ビジネス
- OpenAIが10月21日、ChatGPTの広告を新たに26か国で始め、提供国を89か国に広げました。広告の開始から8か月あまりで10万を超える広告主が出稿しており、同日の技術解説では、広告の売上が開始から200日足らずで年換算10億ドルに達したとしています。ChatGPT Ads expands to 26 new countries as over 100,000 advertisers have used the platform(OpenAI)
- Google CloudとNVIDIAが10月21日、NVIDIAの「Vera Rubin」を使うGoogle Cloudの「A5X」インスタンスを11月に一般提供すると発表しました。Google Cloudは、Vera Rubinの基盤を複数の拠点で最大96万基のRubin GPUまで広げる計画です。Google Cloud and NVIDIA Announce General Availability of NVIDIA Vera Rubin Infrastructure(NVIDIA)
- Preferred Networks(PFN)と米Tenstorrentが10月20日、生成AI向けのプロセッサを含むシステムの共同開発を始めたと発表しました。CPUをTenstorrent、AIプロセッサをPFNが担い、光電融合技術と先端パッケージング技術を使います。NEDOの公募に採択された事業で、2031年度まで研究開発を進めます。PFNとTenstorrentがタッグ、生成AI特化プロセッサ開発へ(ITmedia AI+)
ソース: AIニュースインボックス(2026年10月22日収集・66件、一次21件・二次45件)から編集部が選定しました。