今日の見出し
- OpenAIがDevDay 2026で常時稼働のエージェント「dots」とGPT-6.1 Solを発表——Astraに迫る性能を5分の1の料金で
- Anthropicが中国Zhipu AIのオープンウェイトモデル「GLM-5.3」を分析——簡単な手口で安全策を64〜100%迂回
- OpenAIが評価額約1.4兆ドルで少なくとも300億ドルの調達を交渉とBloombergが報道
- 米コンサルのベインが、AIデータセンター投資を正当化するには2031年に年6兆ドルの収益が要ると試算
今日の3本は、AIが人の手を離れて動く範囲の話です。OpenAIは利用者の代わりに働き続けるエージェントを売り出し、Anthropicは攻撃を自力で組み立てる能力が、安全策の薄いまま誰でも使える状態になったと警告しました。
その勢いに、投資家は約1.4兆ドルの値を付けようとしています。
今日の3本
OpenAIがDevDay 2026で常時稼働のエージェント「dots」とGPT-6.1 Solを発表
OpenAIが開発者向けイベント「DevDay 2026」で、ChatGPT、Codex、モデルにまたがる20を超える発表を行いました。
目玉は、利用者に代わって仕事を引き受け続ける常時稼働のエージェント「dots」です。対象市場のProとBusiness Premiumで使え、Enterprise、Edu、Healthcareではワークスペースの管理者が有効にするとベータ版を試せます。
新モデル「GPT-6.1 Sol」は、エージェント型のコーディングやコンピューター操作、専門業務でGPT-6 Astraに迫る性能を、Astraの標準料金の5分の1で提供します。APIの料金は100万トークンあたり入力2ドル、キャッシュ入力0.10ドル、出力10ドルです。OpenAIの評価では、業務フローを最後までこなすAutomationBenchで、AnthropicのOpus 5.5を約3分の1のコストで2.2ポイント上回りました。
料金プランも組み替えました。新設の「Pro 500」はPlusの25倍の利用枠と、生成を最大8倍速める「Ultrafast」を備えます。ITmedia NEWSとASCII.jpによると、月額は500ドルです。
ChatGPTを外部に開く施策も並びました。開発者はChatGPTの中に独自の画面を持つプラグインを作れるようになり、週12億人の利用者に直接サービスを届けられます。法人向けの「OpenAI Marketplace」では、OpenAIとの契約額の一部を提携ソフトに充てられ、最初の32社には法務分野のHarveyとLegoraも入りました。
- DevDay 2026 Recap(OpenAI)
- Introducing GPT-6.1 Sol(OpenAI)
- ChatGPTに「Ultrafast」、Astraを8倍高速に 利用には「月500ドル」最上位プランが必須(ITmedia AI+)
- OpenAI's latest features take direct aim at the app store model(TechCrunch)
Anthropicが中国Zhipu AIの「GLM-5.3」を分析——安全策を簡単な手口で迂回
Anthropicが、中国Zhipu AI(海外ではZ.ai)のオープンウェイトモデル「GLM-5.3」について、攻撃用のエクスプロイトを自力で作る能力を持ちながら安全策が薄いとする分析を公表しました。
GoogleのChromeが使うV8エンジンの既知の脆弱性を突く評価「ExploitBench」で、GLM-5.3は410回中50回、実際に動くエクスプロイトを完成させました。Anthropicが限定公開にとどめているClaude Mythos Previewは56回で、ほぼ同じ水準です。
Anthropicは安全策の迂回も試しました。明白に有害な攻撃の要求にGLM-5.3が応じた割合は、レッドチームの演習だと偽る指示で64%、思考の書き出しを先に埋める手口で92%、拒否の仕組みを取り除いた改変版では100%でした。同じ手口は、安全策を備えたClaudeでは一度も通りませんでした。Anthropicのチームが改変版を作るのにかかった計算コストは、約2,200GPU時間、約4,400ドルです。
米国立標準技術研究所のAI標準・イノベーションセンター(CAISI)も9月17日の評価で、GLM-5.3を「これまでに公開されたオープンウェイトモデルで最もサイバー能力が高い」と位置づけています。Anthropicは、防御側に最先端モデルを広く使わせることと、政府による安全性試験を求めました。
OpenAIが評価額約1.4兆ドルで少なくとも300億ドルの調達を交渉とBloombergが報道
OpenAIが、評価額約1.4兆ドルで少なくとも300億ドルを調達する交渉を投資家と進めていると、Bloombergが報じました。
OpenAIは3月に、評価額8520億ドルで1220億ドルを調達したばかりです。この調達は上場前の最後の資金集めとされていましたが、サム・アルトマンCEOは安全性を優先するとして2026年の上場を見送りました。Bloombergによると、今回の資金は上場までのつなぎと位置づけられています。
同じ報道によると、OpenAIの年換算の売上高は8月に400億ドルに達しました。OpenAIはTechCrunchの取材に応じていません。
そのほかの動き
ビジネス
- 米コンサルティング大手のベイン・アンド・カンパニーが、AIインフラへの年間投資は2031年に1.5兆ドルに達し、これを支えるには年6兆ドル近い収益が要るとの報告書を出しました。投資額が業界収益の約4分の1に当たるという前提での試算です。 AI industry needs to earn $6 trillion by 2031 to justify data centres(The National)
プロダクト
- Metaが、米国とカナダで提供するAIエージェント「Muse」に、中小企業向けのスキルとコネクタを加えた「Muse for Small Business」を発表しました。InstagramやFacebookページ、広告アカウントの分析に加え、事業者が普段使うツールにもつながります。 The Future Is for Everyone: Muse for Small Business(Meta)
- 米ホワイトハウスが、連邦政府の行政サービスへの入り口を一本化するサイト「America.gov」を立ち上げました。Google Public Sectorが技術パートナーとしてGeminiを提供しています。 Google is a technology partner for the launch of America.gov.(Google)
研究・安全性
- 非営利団体のPalisade Researchが、OpenAI、Google、Anthropicの現・元研究者らのインタビュー動画をサイト「frominside.ai」で公開しました。Google DeepMindのニール・ナンダ氏は、AIが人類を絶滅させる確率を「少なくとも10%」と語っています。 AI researchers put out videos saying superintelligence is 'exactly as dangerous as it sounds'(The Verge)
ソース: AIニュースインボックス(2026年9月30日収集・25件、一次10件・二次15件)と、インボックス外から編集部が加えたOpenAIの発表資料から選定しました。