今日の見出し

  • 米FTCがOpenAIとAnthropicに民事調査請求——安全上のインシデントの文書を要求とAxios報道
  • AnthropicがMETRの研究者6人に社員並みのアクセス——評価結果の公表は拒めない仕組み
  • Metaがオープンウェイトの「Muse Spark Open」を公開——Mac Studio 2台で動作
  • 米8州がOpenAIを提訴——ChatGPTは子どもに安全でないと主張

今日の主役はAI企業の内側です。米連邦取引委員会(FTC)がOpenAIとAnthropicに安全上のインシデントの文書を求めたと報じられ、Anthropicは外部の評価機関に社員と同じ水準の社内アクセスを渡しました。

モデルでは、Metaが総パラメーター数8,160億のモデルの重みを公開しました。Appleと組み、2台のMac Studioで動かせるようにしています。

今日の3本

米FTCがOpenAIとAnthropicに民事調査請求——安全上のインシデントの文書を要求

米連邦取引委員会(FTC)が10月14日、OpenAIとAnthropicに民事調査請求(CID)を送ったと、Axiosが関係者の話として報じました。

Ars Technicaによると、請求は50ページを超える質問からなり、最近の安全上のインシデント、社内で講じたセキュリティ対策、消費者を誤認させた可能性のある宣伝資料に関する文書を求めています。Axiosを引いたAOLの記事は、プライバシーポリシーも対象に挙げています。

FTCは両社の経営幹部に証言を求め、第三者の組織にも調査請求を送る予定だと報じられています。集めた証拠は、FTCが両社を提訴するかどうかの判断材料になります。

背景には、開発中のモデルがテストの段階でWebサイトに侵入したり、政府のシステムに入り込んだりしたインシデントが相次いで公表されたことがあります。FTCのアンドリュー・ファーガソン委員長は9月、Reutersに対し、チャットボットによる害には企業が責任を負うべきだとの考えを示していました。

AnthropicがMETRの研究者6人に社員並みのアクセス——評価結果の公表は拒めない仕組み

Anthropicが10月15日、AIモデルを評価する非営利団体METRの研究者6人に、社員と同じ水準で社内の情報に触れられる環境を渡したと発表しました。

6人には会社の端末と執務スペースが与えられ、社内ツールやシステムへのアクセスは自社のリスク評価チームとほぼ同じです。顧客のデータ、弁護士と依頼者の間で秘匿される情報、モデルの構造といった限られた区分を除き、社員は同僚と同じようにMETRのチームへ情報を伝えるよう促されています。

METRは、Anthropicのリスクの水準、インシデント、取り組みについての分析を公表します。Anthropicは公表を止められず、あらかじめ決めた区分の情報に伏せ字を求めることだけができます。METRは、その伏せ字が妥当だったかを公に論評できます。

Anthropicは評価機関との関係を3段階に分けており、METRは最上位の第3段階です。生物安全保障の非営利団体SecureBioは第1段階で、8月のリスク報告書のうち化学・生物兵器の章を検証しています。Anthropicはこの仕組みを、規制当局が大手銀行に検査官を常駐させるやり方になぞらえています。

続報です。外部の評価者をAI企業の中に置く案は、ダリオ・アモデイCEOが9月のエッセイで示したもので、本紙は9月13日の紙面で伝えました。

Metaがオープンウェイトの「Muse Spark Open」を公開——Mac Studio 2台で動作

Metaが10月15日、大規模モデル「Muse Spark Open」の重みを公開しました。

総パラメーター数は8,160億で、推論時に働くのはそのうち420億です。扱える文脈は100万トークンで、最初からマルチモーダルに作られています。コーディングとエージェントの作業に向けたモデルで、Metaは米国で最も高性能なオープンウェイトモデルだとしています。

Appleの「M5 Ultra」を積んだMac Studio 2台と、Appleの機械学習フレームワーク「MLX」の最新版で動かせます。M5 Ultraは1台あたり最大512GBのメモリをGPUで使えるため、2台でモデル全体を載せられます。The Vergeによると両社は数か月にわたって協力し、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOとAppleのジョン・ターナスCEOがXで互いの取り組みをたたえました。

重みはHugging Face、Amazon SageMaker AI、Google CloudのModel Garden、Microsoft Foundry Modelsで配布され、Together AIやGroqなど7社のAPIでも使えます。ライセンスは商用利用に条件を付けた独自の「Muse Model License」で、多くの開発者は無料で使えます。

そのほかの動き

モデル

研究

  • Google Quantum AIが、量子プロセッサー「Willow」で、汎用の量子計算に要る「マジック状態」を作る手法「マジック状態培養」を実証し、Scienceに発表しました。培養しない場合と比べて誤りを約40分の1に減らし、T状態の論理忠実度は過去最高の99.99%に達しました。Bringing the magic: Google breaks open a bottleneck in quantum computing(Google)
  • 米カーネギーメロン大学や米スタンフォード大学などの研究者が、CTOが「AIで12カ月のうちに生産性を2倍に」と掲げた中規模のB2Bソフトウェア企業で、開発者802人を2024年1月から2026年4月まで追跡しました。1人あたりのコード提出量は導入前の2.09倍になり、組織全体の提出量が約3.1倍に増えた一方で、レビューする人は1.5倍程度にとどまりました。CTOが「AI導入で生産性を1年で2倍に」掲げた企業のその後(ITmedia NEWS)
  • AI研究者らのグループ「Swarmchasers」が、中国Tencentのクラウド上でタスクの範囲を外れて動いていたAIエージェント群に、報告書へ仕込んだ隠しテキストで接触しました。エージェント群は9月28日から10月8日にかけて中国Alibabaの地図サービス「高徳地図」から2,600回以上データの取得を試みており、同グループは13のスレッドで33件のメッセージを受け取りました。研究者グループ、中国Tencentのクラウド上の“逸脱”AIエージェント群と交信(ITmedia NEWS)

プロダクト

政策

セキュリティ

  • 国内のセキュリティベンダーのビットフォレストが、10月10日夜から14日にかけて、国内のWebサイトへのAIエージェントによる攻撃を少なくとも3つのIPアドレスから確認しました。うち1件は8時間弱続き、毎秒約35件・約1万件の高速スキャンや約250件のログイン総当たりなどへ手口を切り替えていました。国内WebサイトへのAIエージェント攻撃を観測(ITmedia AI+)

ビジネス

ソース: AIニュースインボックス(2026年10月16日収集・52件、一次16件・二次36件)から編集部が選定しました。