今日の見出し

  • アップルがOpenAIと元従業員2名を連邦裁判所に提訴——元エンジニアが「認証バグ」を悪用し、退社後も社内ストレージにアクセスし続けたと主張
  • GMOインターネットグループの熊谷正寿代表が、新設の「グループCAIO(AI変革最高責任者)」に就任し、エンジニアを含む組織体制を見直しへ
  • アンソロピックがClaudeのインド向け料金をルピー建てに現地化——インドは米国に次ぐ第2の市場

きょうの紙面は、AIをめぐる競争が製品そのものの外側で動いた一日です。

新しいモデルや機能が主役の日ではありません。かわりに、人材と秘密をめぐる企業間の訴訟、経営トップがAI変革の責任を自ら背負う人事、そして現地通貨での値付けという市場対応——技術の中身ではなく、その周りで競争の局面が動きました。

今日の3本

アップル、OpenAIを営業秘密の窃取で提訴——元エンジニアが「認証バグ」を悪用したと主張

アップルは、OpenAIと元従業員2名を相手取り、営業秘密を不正に持ち出されたとして連邦裁判所に提訴しました。

金曜に提出された訴状で、アップルはOpenAIによる情報利用の差し止めを複数求めています。同社の主張によると、元アップルの電気技術者チャン・リウ氏は2026年1月にアップルを退社してOpenAIへ移りましたが、2月9日に当時アップルが把握していなかった「認証バグ」を見つけ、アップル支給の業務用端末を使って退職後も数週間にわたり社内の共有ネットワークフォルダにアクセスし続けたとされています。

アップルは、当時在職していた従業員ユーティン・「アリッサ」・ペン氏とリウ氏のやり取りを社内で調べる過程で、このバグに気づいたとしています。同社は、リウ氏が「アップルのもっとも機微な製品開発プログラムのいくつか」に8年間携わっていたと訴状で述べています。

引き抜きの中心人物とされるのが、アップルに24年在籍したのち元デザイン責任者ジョニー・アイブ氏のio Productsを経て2025年にOpenAIのハードウェア責任者となったタン・タン氏です。アップルは、タン氏が秘密のプロジェクトのコードネームといった内部知識を使い、採用面接の場でアップル社員に未発表製品を語らせたと主張しています。

アップルは、これまでに400人を超える元従業員がOpenAIに引き抜かれたとし、裁判所に介入を求めています。以上はいずれもアップルの主張であり、訴訟は係争中です。OpenAIのサム・アルトマン氏は「私はアップルを恐れていないが、彼らには大きな敬意を持っている」と反応したと報じられています。

GMO、熊谷代表がグループCAIOに就任——「エンジニアを含む組織体制」を見直しへ

GMOインターネットグループは、熊谷正寿代表がグループのAI変革最高責任者(グループCAIO)を兼務すると発表しました。

7月13日付の人事で、グループCAIO(Chief AI Transformation Officer)はグループ全体のAI戦略・導入推進・ガバナンス・人材育成・業務変革を一元的に統括する役職です。トップ自らが陣頭指揮を執り、AI変革を加速させるとしています。

熊谷氏は「コーディングはすでに人間だけの仕事ではなくAIの仕事になった」との認識を示し、この現実を踏まえて「エンジニアを含む組織体制を見直し、AIナイズされた組織へと変革する」方針を打ち出しました。自身も「Claude Code」でバイブコーディングを実践し、課題解決のためのアプリを開発していると説明しています。

同社は投資も重ねてきました。2025年5月に従業員1人あたり平均月1万円を支援する「GMO AIブースト支援金」(年間10億円)を創設し、2026年2月にはClaude活用に特化した「GMO AIブースト支援金 for Claude」として11億5000万円を追加しています。2026年1月には全従業員がAIに集中する「GMO AI Day」も制定しました。

アンソロピック、Claudeのインド料金をルピー建てに——米国に次ぐ第2の市場

アンソロピックは、インドでのClaudeの料金をルピー建てに切り替え、これまでのドル建て課金から現地化しました。

同社によると、インドはClaudeの世界利用の5.8%を占め、米国に次ぐ第2の市場です。インドのユーザーは以前からルピー建ての契約を求めており、ドル建て表示と為替換算がサービス利用の障壁になっていたといいます。

価格は、Claude Proが年払い時で月額約2,000ルピー(約21ドル。米国は月額17ドル)、Claude Maxが月額約1万1,999ルピー(約125ドル。米国は100ドル)、チームプランが1席あたり月額約2,399ルピー(約25ドル。米国は20ドル)です。いずれも現地税込みの価格だとしています。

一方で、インドで広く使われる即時決済網UPI(Unified Payments Interface)にはまだ対応しておらず、支払いはカードかアプリストア経由に限られます。この点は、昨年8月にUPI対応でルピー価格を導入したOpenAIとは異なります。

今回の対応は、アンソロピックのインド重視の流れの一環です。同社は2月にベンガルールに拠点を開設し、1月には元マイクロソフト・インディア代表のイリーナ・ゴーズ氏を現地事業の責任者に起用しました。近年はインドのIT大手インフォシスやタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)とも提携しています。

そのほかの動き

モデル

ビジネス

  • サム・アルトマン氏が、イーロン・マスク氏の宇宙データセンター構想を、短期的な話を投資家に売り込んでいるだけだと皮肉りました。TechCrunchによれば、多くの専門家も、ロケットの低コスト化と衛星の量産が進むまで事業化は難しいとみており、アルトマン氏の見立ては専門家のコンセンサスに近いと報じられています。 - Sam Altman's space data center trash talk is what most experts already believe(TechCrunch)

その他

ソース: AIニュースインボックス(2026年7月14日収集・30件、一次1件・二次29件)から編集部が選定しました。