今日の見出し

  • Anthropicが「Claude Opus 5」を発表——「Fable 5」級の性能をおよそ半分のコストで、Max・Proの新しい既定モデルに
  • NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが初めてXに投稿——25社・団体の共同書簡「Open Weights and American AI Leadership」を公開
  • Googleが、EU AI法の「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範」に署名

きょうの紙面は、AIの「知能が一段安くなる動き」と、「その広がりをどう規律するかをめぐる動き」が同時に見えた一日です。

一つ目は、上位モデル級の性能をより低いコストで届けるモデルの登場です。二つ目は、そのモデルの土台となるオープンな重みをめぐり、規制の強化に業界が反発する動きです。そして三つ目は、AIが生み出したものに印を付ける義務を、企業がみずから受け入れる動きです。技術が前へ進むほど、それをどう御するかという問いが大西洋の両側で同時に強まっています。以下、モデル・政策・政策の順に見ていきます。

今日の3本

Anthropic、「Claude Opus 5」を発表——「Fable 5」級をおよそ半分のコストで

Anthropicが新モデル「Claude Opus 5」を発表し、上位モデル「Fable 5」に迫る性能を、そのおよそ半分のコストで提供すると説明しました。

価格は100万トークンあたり入力5ドル・出力25ドルです。あわせてOpus 5は、Anthropicの有料プランであるMaxとProの新しい既定モデルに位置づけられ、これまで上位プランでしか届かなかった性能が、より広いユーザーの手元に降りてくる形になりました。

性能面では、Anthropicがいくつかの指標を挙げています。抽象的な推論を測る「ARC-AGI 3」では、次点のモデルの3倍のスコアを記録したとしています。また、計算機を操作させるベンチマークでは、「Fable 5」の最高値を、そのおよそ3分の1のコストで上回ったと説明しています。いずれも同社の自己申告による数値です。

処理速度を選べる仕組みも加わりました。基本料金の2倍を支払うと、およそ2倍の速さで応答する「Fast mode」が使えます。これは試験的なベータ提供ではなく、正式な機能として提供されます。

NVIDIA、ファンCEOが初のX投稿で25社の共同書簡を公開

NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが、自身初のX(旧Twitter)への投稿として、25社・団体が名を連ねる共同書簡「Open Weights and American AI Leadership」を公開しました。

書簡は、モデルの重みを公開する「オープンウェイト」への拙速な規制強化に反対し、重みを開いたまま公開し続けることこそが米国のAIの主導的立場と安全性の向上につながる、と主張しています。CEO本人がふだん使わないSNSにわざわざ最初の一歩を記した点に、業界がこの論点をどれほど重視しているかがうかがえます。

署名の顔ぶれには、業界内の路線の違いも表れています。書簡にはMicrosoftやMetaが名を連ねる一方、OpenAI・Anthropic・Googleは署名していません。オープンな重みを競争力の源泉と見る側と、モデルを閉じたまま提供する側とで、規制への向き合い方が分かれている構図です。

背景には、中国製のオープンウェイトモデルの台頭を受けた米政権の規制強化の検討があります。政権側は、中国企業が米国のモデルを蒸留したとの疑惑を規制論の根拠に挙げていますが、これは係争中の主張で、本紙でも先週から続報として扱ってきた論点です。書簡側は、蒸留はオープンソースの世界で広く使われてきた正当な技術であり、これを理由にした広範な禁止は事実上すべてのオープンモデルの禁止につながる、と反論しています。

Google、EU AI法の透明性行動規範に署名

Googleが、EU AI法の「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範」に署名すると表明しました。

この行動規範は、AIが生成した画像や音声などに、それと分かる印を付けることを企業に求めるものです。Googleは、電子透かし技術「SynthID」や、来歴情報を記録する「C2PA」標準の採用を広げることで、この求めに応じるとしています。透かしの普及ではApple・Eleven Labs・Kakao・NVIDIA・OpenAIといった各社とも足並みをそろえる方針です。

一方でGoogleは、規制への協力を示しつつ、注文も付けています。同社は、規制の複雑化が積み重なると、欧州がみずから掲げる競争力の目標と矛盾しかねない、と懸念を表明しました。透明性という義務を受け入れる姿勢と、その義務が重くなりすぎることへの警戒とを、同時に示した形です。

技術が安くなり広く行き渡るほど、その中身に責任を負わせる規律が追いかけてきます。米国では重みを開くか閉じるかをめぐって業界と政府が綱を引き合い、欧州では生成物に印を付ける義務が企業へと降りてきています。きょうの3本は、加速する技術に規制が寄せていく、その両側の動きを映しています。

そのほかの動き

モデル

  • Black Forest Labsがロボティクス企業mimicと共同で、動画生成とロボットの行動制御を統合した新世代モデル「Flux 3 x Mimic」を発表しました。世界の物理的な振る舞いを学習することで生成と制御の両方を担うとされ、すでにアウディの工場で部品の取り扱いや組み立てといった作業に導入されています。 - Flux 3 X Mimic: The Next Generation of Video-Action Models(Black Forest Labs)

プロダクト

  • Metaが、AIモデル「Muse Spark 1.1」を搭載した新しいMeta AIを発表しました。旅行やトレーニングの計画、資料作成などを、立案からアプリ連携、実行までを通してこなす方向へと踏み込み、予定の衝突を知らせる日次のブリーフィングにも対応します。一部の市場から展開を始め、WhatsAppなどへ順次広げる予定です。 - Meta AI Doesn't Just Think, It Acts(Meta Newsroom)
  • OpenAIが、ChatGPTのデスクトップアプリに新しい音声モードを追加しました。新たに公開した音声モデル「ChatGPT-Live」により、スレッドの作成やプルリクエストの作成、バグの原因の特定といった複数段階の操作を、一度の音声指示でこなせるとしています。 - OpenAI's new voice mode makes it to the ChatGPT desktop app(TechCrunch)

研究

ビジネス

  • コーディングエージェント「Devin」を手がけるCognitionが、テキストメッセージ型のAIアシスタント「Poke」を買収しました。買収額は非公開で「低い9桁」(1億ドル以上10億ドル未満)とされます。Cognitionは、同僚のような親しみやすい対話のスタイルをDevinに取り込む狙いで、モデルの性能に加えて「パーソナリティ」が差別化の軸になり得るとの見方を示しています。 - Why Cognition bought Poke: AI personality is becoming a competitive advantage(TechCrunch)
  • Midjourneyが、月間アクティブユーザー約430万人を抱える占星術アプリ「Co-Star」を買収しました。買収額などの条件は非公開で、Co-Starの約24人のチームが合流します。画像・動画の生成を中核としてきたMidjourneyが、消費者向けの別分野へ事業を広げる動きです。 - Midjourney acquired the astrology app Co-Star(TechCrunch)

ソース: AIニュースインボックス(2026年7月25日収集・29件、一次3件・二次26件)から編集部が選定しました。