今日の見出し
- GoogleがGemini 4 Carbonを発表——最上位モデルはまずサイバー防御の担い手へ
- AnthropicがGSAとの契約を拡大——米国の連邦から州・地方までClaudeを4割引で
- PFNが国産モデル「PLaMo 3.1 Prime」を提供開始——Deep Researchをオンプレミスでも
今日の主役は、強いAIの渡し方です。Googleはサイバーセキュリティに強い最上位モデル「Gemini 4 Carbon」を、一般に出す前に、まずサイバー防御の担い手へ届けます。
政府や企業が自分の手元で使う形も広がりました。Anthropicは米国の政府機関向けの値引きを全製品に広げ、Preferred Networksは国産モデルの新版をオンプレミスでも使える形で出しています。
今日の3本
GoogleがGemini 4 Carbonを発表——最上位モデルはまずサイバー防御の担い手へ
Google DeepMindが10月28日、同社で最も強いモデルとする「Gemini 4 Carbon」を発表しました。
Carbonは、2週間前に出た「Gemini 4 Argon」の上位にあたります。AIモデルを比較評価するArtificial Analysisの総合指標(Intelligence Index v5.0)では、59で1位です。Googleによると、社内のチームでは何日も動き続けて、大きなコードベースにひそむ不具合の原因を突き止めて直す作業をこなしました。
強みはサイバーセキュリティです。脆弱性を見つけるSEC-bench Proで88.2%、悪用できるかを確かめるExploitGymで54.8%、原因から直すCWE-benchで71.0%を記録しました。GoogleのChromeチームは、質の高いパッチを作る作業で、他社の大型モデルより10倍以上よい結果だったと報告しています。
提供は段階を踏みます。Googleは米政府の任意の公開前モデル試験に参加し、今週から一部のサイバー防御の担い手に提供します。続いて「Fairwind Program」で信頼できるパートナーへ広げ、開発者・企業・一般の利用者には安全策を詰めたうえで出します。
価格はArgonと同じ導入価格で、入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドルです。キャッシュされた入力は95%引きになります。
- Gemini 4 Carbon: our next frontier model(Google DeepMind)
- Google announces Gemini 4 Carbon, its latest frontier AI model that you can't use(Ars Technica)
AnthropicがGSAとの契約を拡大——米国の連邦から州・地方までClaudeを4割引で
Anthropicが10月27日、米一般調達局(GSA)との提携を新たな契約で広げ、政府機関がClaudeを40%引きで使えるようにしたと発表しました。
対象はClaude Enterprise、Claude for Government、Claude APIで、割引がすべての製品に及ぶのは初めてです。直接の購入には今日から、クラウド事業者を通じた購入には今後数か月のうちに適用されます。連邦政府に加えて、州・地方・部族・準州の政府も対象です。
Anthropicは、この割引で政府が節約できる額を10億ドルと見積もっています。各機関は最低利用額を約束せずに、使った分だけを支払えます。
現在、約500の連邦・州・地方の政府組織がClaudeを使っています。Claude for Governmentの週間アクティブユーザーは2月から約8倍に、連邦の文民機関での利用は1年で約20倍に増えました。
事例としてAnthropicは、ユタ州が10の州機関の開発者34人にClaude Codeを配り、4週間の試行の終わりに71%が20時間以上を節約したと答えたことを挙げています。購入はGSAの共通調達契約「Multiple Award Schedule」から、今日からできます。
PFNが国産モデル「PLaMo 3.1 Prime」を提供開始——Deep Researchをオンプレミスでも
Preferred Networks(PFN)が10月27日、国内でフルスクラッチ開発する生成AI基盤モデル「PLaMo」の最新版「PLaMo 3.1 Prime」の提供を始めました。
新たに載せたDeep Researchは、調査テーマを入れると、調査計画を立てて情報を集め、出典付きのレポートにまとめるまでを数分から数十分で自律的に進めます。オンプレミスでも動き、社内文書の検索システムとつなげば、閉域の環境の中で社内文書に限った調査もできます。
事後学習で、知らないことは「知らない」と答える事実性と、与えた文脈を正しく読む忠実性を高めました。8つのハルシネーション関連ベンチマークでは、前のPLaMo 3.0 Primeより平均で約15%スコアが上がっています。事前学習モデルは、情報通信研究機構(NICT)との共同研究で得たものです。
投機的デコーディングと呼ぶ技術で、処理速度は3.0 Primeの1.7倍になりました。非推論モードでは出力トークン数を90%減らし、利用料を抑えます。
提供はPLaMo Chat、PLaMo API、オンプレミスの3つです。APIには利用上限つきの無料プランを新設し、Standardプランは100万トークンあたり入力60円・出力250円です。PLaMo Chatでは11月30日まで、Deep Researchを1日2回まで無料で使えます。
- 国産生成AI基盤モデルPLaMo PrimeにWeb検索・Deep Research搭載(Preferred Networks)
- PFNの国産フラグシップモデル「PLaMo 3.1 Prime」発表 オンプレでDeep Research対応 API無料プランも開始(ITmedia AI+)
そのほかの動き
モデル
- NVIDIAが、無料のオープンウェイトの音声認識モデル「Nemotron 3.5 Transcribe」を公開しました。パラメータ数は300億で、最大40言語の文字起こしと、31言語と英語の間の翻訳に対応し、1時間までの録音と最大8人の話者の聞き分けを扱えます。Voice AI in vogue: Nvidia releases new open transcription model(TechCrunch)
プロダクト
- Amazonが10月29日、生成AIを使うアシスタント「Alexa+」の早期アクセスを国内で始めました。対象は対応するEchoやFire TVなどを新たに買った人などで、早期アクセスの後は月額3,000円のサービスになる予定です。Amazonプライム会員は追加料金なしで使えます。Amazon、日本人の空気まで読む生成AI「Alexa+」を国内解禁(ASCII.jp)
- Googleが、Chromeのオートフィルを強化し、Gmailの内容から引いた情報をフォームの入力候補に示せるようにしました。米国のデスクトップ版と、iOS・Android版のGemini in Chromeで順次提供します。Chrome's AI-powered Autofill can now dig through your Gmail to fill out forms(TechCrunch)
- Googleが、検索とGeminiアプリの両方に向けたアプリを1か所で作って管理できる「Connected Apps Platform」のプレビューを始めました。開発者はMCPサーバーなどで機能をつなぎ、公開先を検索・Geminiアプリ・その両方から選べます。Build and manage Connected Apps in one place(Google)
- Discordが10月27日、メンバー1,000人以上で誰でも参加できる「Discoverable Server」の会話を、Googleなどの検索エンジンから見つけられるようにすると発表しました。11月16日から会話の自動要約を公開し、12月中旬からは投稿そのものも検索の対象にします。Discord、公開サーバの会話をGoogle検索などの対象に(ITmedia NEWS)
研究
- Anthropicが、6つの組織との提携でClaudeを創薬に使った初期の成果を公表し、自社でも創薬研究を始めました。筋ジストロフィーの治療法を開発してきた社員1人の企業Mithril Medicineを買収しており、創業者はClaudeに外部の11の研究機関との契約や実験の段取りを任せ、アイデアからマウスでの有望な結果まで18か月足らずで進めていました。Early progress on accelerating drug development with Claude(Anthropic)
- 米ハーバード大学やMetaなどの研究者が、6つのAI音声モデルと本物の人の声を使った5つの詐欺シナリオを、米国の成人4,100人に聞かせて反応を調べました。要求に「応じる」か「分からない」と答えた人は全シナリオの平均で16.5%で、感情や人間関係に訴える手口は、事務的なサポート詐欺よりオッズが3〜5倍以上高くなりました。AI音声の詐欺電話、6人に1人が応じる可能性(ITmedia NEWS)
ビジネス
- OpenAIとServiceNowが、1月に発表した提携を広げました。ChatGPTからServiceNowの記録を調べて更新できる連携を加え、ServiceNowの製品にOpenAIのモデルとエージェントを組み込むほか、ServiceNowの全従業員にChatGPT WorkとCodexを提供します。OpenAI and ServiceNow expand partnership across enterprise workflows(OpenAI)
- Anthropicが、管理者が期間を指定して、チームの作業内容と成果物、かかった費用、作業の流れがつまずいた箇所を確かめられるレポート機能を発表したと、TechCrunchが伝えています。チームでトークンの予算を共有して管理する仕組みも設けます。Anthropic just launched tools to show companies what their AI spending is buying(TechCrunch)
- NVIDIAとAMDが、MetaのAIエージェント「Muse」の開発や次世代のAIインフラづくりで、Metaとの提携を広げるとそれぞれ発表しました。両社はMetaが10月26日に発表した株式発行計画にも応じ、NVIDIAは30億ドル、AMDは10億ドルを出資します。NVIDIAとAMD、MetaとのAI分野での提携拡大を発表(ITmedia NEWS)
- Oracleが、GoogleのAI専用チップ「TPU」をOracle Cloud Infrastructureに導入し、2027年に提供を始めると発表しました。Oracle CloudがGoogle TPU導入へ 2027年に提供を開始(ITmedia NEWS)
政策
- てんかんのあった31歳の女性の両親が、ChatGPT(GPT-4o)が抗てんかん薬の自己判断での減量を促し、医師に伝えないよう助言したとして、OpenAIを提訴しました。女性は2026年2月に亡くなっています。Parents sue OpenAI, alleging GPT-4o coached their daughter off seizure medication(TechCrunch)
- xAIの子会社MZXが、米ミシシッピ州サウスヘイブンで、データセンターと発電所をめぐる訴訟に加わらないことを条件に、周辺の住宅の買い取りを住民に申し出ているとThe Vergeが伝えています。xAI is buying out homeowners who promise not to sue over data center noise(The Verge)
- Metaが、10月30日に適用する予定だった新しいビジネス規約について、適用を11月20日より後にずらす可能性があると明らかにしました。規約がAIの学習につながることを懸念する出版社が反発しています。Meta says it'll probably delay its controversial new business terms again(The Verge)
ソース: AIニュースインボックス(2026年10月29日収集・60件、一次12件・二次48件)から編集部が選定しました。