今日の見出し

  • ChatGPTの広告テストが日本でも開始、無料プランと月額1,400円のGoプランが対象に
  • 味の素グループが経理AIエージェントを導入し、対象業務の工数を76%削減
  • Gartnerが2025年の米国プライバシー罰金が34億ドルを超えたと報告、CISOに自動意思決定への備えを促す

AIが事業の損益と統治に直結し始めた一日です。

無料で使えていたツールに広告が入り、人手をかけていた業務がAIに置き換わり、その利用が規制当局の執行対象になる。三つのニュースは別々の現場の話ですが、いずれも「AIをどう使うか」から「AIをどう収益化し、統治するか」という段階へ論点が移ったことを示しています。

技術そのものの新しさよりも、その技術が組織のコストや法令遵守にどう跳ね返るかが問われる局面に入っています。

今日の3本

ChatGPTの広告テストが日本でも始まる——無料・Goプランが対象

OpenAIが6月19日、ChatGPTに広告を表示するテストを日本でも開始しました。

対象は無料プランと、月額1,400円の「Go」プランを使う成人ユーザーです。Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationの各プランは対象に含まれません。米国では2026年2月にテストが始まっており、日本はそれから約4か月後の追随となります。

広告はユーザーの会話内容を参照して配信されます。ただしOpenAIは、広告がChatGPTの回答そのものには影響を与えないと説明しています。広告主に渡されるのは表示回数とクリック数のデータに限られ、ユーザーの個人情報は共有されない設計です。

広告を非表示にしたい場合は、アプリ設定の「広告の制御」から上位プランへアップグレードする方法があります。無料で使える対話AIに広告という収益源が組み込まれ始めた点で、検索広告の次の市場をめぐる動きとして位置づけられます。

出典: ChatGPTで広告テスト、日本でも開始 非表示にする方法は?(ITmedia AI+)

味の素グループが経理AIエージェントを導入——対象業務の工数を76%削減

味の素グループが経理業務にAIエージェントを導入し、対象業務の工数を76%削減しました。

経理は伝票の確認や承認といった定型的な作業が多く、人手と時間を要する領域です。同グループはこの業務にAIエージェントを充て、人間が判断すべき確認作業に人員を集中させる体制へ切り替えました。削減率76%という数字は、定型処理の多くがAIに移せたことを示しています。

同社が早い段階で導入に踏み切れた背景には、データ整備と業務標準化を先行して進めていたことがあります。AIエージェントは、処理の手順や扱うデータが整っているほど力を発揮します。導入の成否を分けたのは、AIそのものの性能よりも、それを受け入れる業務側の土台づくりだったといえます。

出典: 工数「76%」削減 味の素グループが「経理AIエージェント」導入で先陣を切れたワケ(ITmedia AI+)

Gartnerが警告——2025年の米国プライバシー罰金が34億ドル超、CISOは自動意思決定への対応を

調査会社Gartnerが、2025年の米国におけるプライバシー関連の罰金総額が34億2,500万ドルに達したと報告しました。

この水準は過去5年の平均を上回り、2028年まで増加が続くとGartnerは予測しています。背景には、州ごとのプライバシー法整備の進展があります。すでに22州でプライバシー法が施行され、適用対象は米国人口の50%を超えています。

次の規制の焦点として挙げられているのが、自動意思決定システム(ADM)です。AIが人の関与なしに判断を下す仕組みが、新たな執行の対象として浮上しています。融資の可否や採用の選別をAIが担う場面が増えるなか、その透明性や説明責任が問われる段階に入ったということです。

Gartnerは、最高情報セキュリティ責任者(CISO)に対し、法務部門と連携してプライバシープログラムを刷新するよう促しています。同意の取得方法やデータ保護の仕組みを規制要件に合わせて見直すことが、罰金リスクを抑える鍵になるとの指摘です。AIの導入が進むほど、その利用が法令遵守の問題に直結する構図が鮮明になっています。

出典: Gartnerが警鐘 プライバシー法執行が本格化、CISOは何を見直すべきか?(@IT)

そのほかの動き

モデル

  • OpenAIがAIコーディングツール「Codex」に、画面操作を録画してAIが再現する「Record & Replay」機能を追加しました。一度の操作のデモから、タイミングや必要な画面領域、実行順序、エラー処理をAIが推測し、以降は柔軟に再実行します。現在はmacOSのみの対応で、EEA・英国・スイスへの展開も予定されています(ITmedia NEWS

リサーチ

  • 理化学研究所が、AI for Science向けのスーパーコンピュータを「理究(りきゅう)」と命名しました。856件の応募から選ばれた名称で、茶人・千利休の「守・破・離」の概念をAIと科学の共進化に重ねています。FP8で15.539エクサフロップスの演算性能を持ち、機械学習から研究参加、新領域の開拓へと段階的に進むAIの姿を名に込めています(ITmedia AI+

ポリシー

  • ノルウェー政府が、小学校段階でのAI利用をほぼ全面的に禁止する方針を打ち出しました。子どもの認知や学習の発達への影響を懸念したもので、欧州の教育分野で最も踏み込んだAI規制の一つとなります(Reuters
  • AnthropicのFable 5とMythos 5が米政府の命令で停止された件について、禁止後も同社の商業指標は影響を受けていないとの報道が出ています。摩擦がかえってモデルの能力を裏づける結果になっているとの見方も伝えられていますが、いずれも観測の域を出ません。停止の経緯そのものは編集部が6月13日の号外などで詳報しています(TechCrunch

ビジネス

  • 大阪メトロが、PKSHA TechnologyのAIアシスタントを導入し、月1,000件を超える社内問い合わせ対応の効率化を進めます。これまで9割が電話対応だった業務を自動化し、全5,000人の職員での利用を想定しています(ITmedia
  • ホンダがAIエージェントを営業プロセスに導入し、顧客データをもとに商機を先回りして検知する仕組みを構築しました。問い合わせを待つ受け身の営業から、質の高い商談を能動的に作り出す体制への転換を狙っています(ITmedia ビジネスオンライン
  • インド最大の財閥Reliance Industriesが、通話・アプリ・家庭用デバイスのすべてにAIを組み込む構想を発表し、AI基盤に1,100億ドルを投じる計画を明らかにしました。5億人を超えるJioの利用者を基盤に、インドをAIの利用者ではなく創り手にするとの国家戦略を掲げています(TechCrunch

その他

  • エンタープライズ検索大手のElasticが、AIでソフトウェアのバグを自動検出・解決するDeductive AIを、最大8,500万ドルで買収することで合意しました。買収した技術を可観測性プラットフォームに統合し、障害の自動対応を強化する狙いです。既存企業がAIによる運用支援ツールを取り込む業界の流れを示す一例です(TechCrunch

ソース: AIニュースインボックス(2026年6月20日収集・27件、一次0件・二次27件)から編集部が選定しました。