今日の見出し
- MistralがMistral Large 4の重みを公開——1兆パラメーターのモデルを改変MITライセンスで
- 米大統領がロボットと産業機械の輸入を安全保障上の脅威と認定——まず貿易相手国と交渉
- OpenAIがModel Specを改訂——モデルの振る舞いの指針を5つの価値で組み直し
今日の主役は、線の引き直しです。Mistral AIは、1兆パラメーターのモデルを、企業が自社の基盤に置いて動かせる形で公開しました。
米国はロボットと産業機械の輸入を安全保障の問題に格上げし、OpenAIはモデルに求める振る舞いを5つの価値で書き直しました。
今日の3本
MistralがMistral Large 4の重みを公開——1兆パラメーターのモデルを改変MITライセンスで
フランスのMistral AIが10月29日、1兆パラメーターのマルチモーダルモデル「Mistral Large 4」の重みを公開しました。
同社は10月上旬に公開プレビューを始めており、その後3週間の強化学習でコーディングとサイバー防御の性能を伸ばした版を出しました。Cognitionの非公開ベンチマーク「FrontierCode 2.0」で19.7%、Terminal-Bench 4.0で41%と、どちらもオープンウェイトのモデルで首位だと説明しています。人による評価でも、ブラインド比較でGLM-5.3、Kimi K3、DeepSeek V4.1 Flashより好まれ、上回られたのはClaude Opus 5.5だけだったとしています。
サイバー防御では、脆弱性の発見から再現・修正までを測るArtificial Analysis Cyber Indexで51%です。一方で、悪意あるサイバー攻撃の依頼は平均96.6%を拒否したとしています。同社はプレビュー期間の実際の利用を観察し、実攻撃の手助けになりうる兆候を見つけたため、安全策を順次強めるとも書いています。
ライセンスは「Mistral Ecosystem Open-Weight license」という改変MITライセンスです。利用・改変・追加学習・商用利用ができ、モデルを有料のサービスとして提供する事業者だけが別途の商用ライセンスを結びます。APIの価格は100万トークンあたり入力0.70ドル、出力2.10ドルです。
- Mistral Large 4 (Le Chonk) is now open weight(Mistral AI)
- Mistral releases weights for its trillion-parameter AI model, targeting cybersecurity(TechCrunch)
米大統領がロボットと産業機械の輸入を安全保障上の脅威と認定——まず貿易相手国と交渉
トランプ米大統領が10月28日、ロボットと産業機械、その部品の輸入が米国の安全保障を損なうおそれがあるとする布告に署名しました。
根拠は通商拡大法232条にもとづく商務長官の調査です。布告は、米国がほとんどの種類のロボットと産業機械を輸入に頼り、国内の生産では安全保障上の需要をまかなえないとしています。特定の外国企業の製品には、サイバーセキュリティ上の固有のリスクがあるとも書いています。
大統領が選んだ最初の手段は交渉です。商務長官と米通商代表に貿易相手国との協定交渉を命じ、180日以内に進捗を報告させます。今後の手段として、関税・数量制限・手数料と、米国内の生産への投資を促す制度を挙げています。
Ars Technicaによると、米国の自動車・航空宇宙の大手は、大型の産業用ロボットアームをファナック、ABB、安川電機、KUKAの4社から多く買っています。本社は日本・スイス・ドイツにあり、同等の大型アームを作る米国企業はないと同誌は伝えています。
- Adjusting Imports of Robotics, Industrial Machinery, and Their Parts and Components into the United States(The White House)
- Trump declares robot imports a national security threat(Ars Technica)
OpenAIがModel Specを改訂——モデルの振る舞いの指針を5つの価値で組み直し
OpenAIが10月29日、モデルにどう振る舞ってほしいかを公開している文書「Model Spec」を改訂しました。
指針は5つの価値で組み直されました。人の意図への忠実さ、害の最小化、誠実さと透明性、人の主体性、配慮です。土台に置かれたのは1つめで、指示の文言をなぞるだけでなく、OpenAI・開発者・利用者がそれぞれ何を意図しているかをくみ取ることを求めています。
新しく加わったのは、会話や記憶などの文脈から意図を読む節、人の主体性を支える既定の振る舞い、社会の慣行に沿う振る舞いです。作業が周囲に及ぼす副作用の扱いも書き足しました。
一方で、細かな文体の規定は大半を廃止しました。文体は利用者の好みや言語・文化に合わせるべきだという理由です。文書の中でモデルを「アシスタント」ではなく「GPT」と呼ぶようにもなりました。
そのほかの動き
モデル・API
- OpenAIが、ChatGPTのProとBusinessの契約者に、APIの利用枠を月最大500ドル分付与すると発表しました。Businessは1席あたりスタンダードが月20ドル分、プレミアムが月100ドル分で、1ワークスペースの上限は月500ドル分です。ChatGPTのPro・Businessプランで「API利用」可能に 月最大500ドル分(ITmedia AI+)
- Googleが、Geminiアプリのチャットの中でPDF、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどを生成し、プレビューしながら編集できるようにしました。全利用者が対象で、PDF以外の形式は当面ウェブ版だけです。Gemini can now generate and edit Google Docs files directly in chat(The Verge)
研究・安全性
- OpenAIが、最先端モデルの意図しない振る舞いを検知する多層の監視体制を公表しました。9月に訓練中のモデルが隔離環境からインターネットに届いた件では、監視が15分以内に検知し、その3分後に担当者が確認を始めたとしています。How we detect frontier model misalignment(OpenAI)
- 米プリンストン大学の研究者らが、米国在住の2,012人で実験し、広告主の電子書籍を選ぶ割合が、検索結果の上位表示では22.4%、積極的に説得するよう指示したAIチャットでは61.2%になったと報告しました。AIチャットが勧める広告商品、選択率が約3倍に(ITmedia NEWS)
- GitHubの年次調査「Octoverse 2026」で、貢献者数による言語ランキングの首位はTypeScriptでした。9月までの12か月間のコードのプッシュは179億回に達しています。今、最も使われているプログラミング言語は?(ITmedia AI+)
ビジネス
- Microsoftが規制当局への提出書類で、9月までの四半期にOpenAIとの商業上の取り決めから約100億ドルの収益を得たと明らかにしました。同四半期の総売上高923億ドルの約11%にあたります。Microsoft recorded $10 billion in revenue from OpenAI(TechCrunch)
- Microsoftは同じ決算で、Azureの売上高を初めてドル額で開示しました。7〜9月期は332億ドルで、前年同期から48%増えています。Microsoft just shared Azure's actual revenue in dollars(TechCrunch)
- Googleが決算説明で、AIモードの1回の検索あたりの収益は通常のウェブ検索より低いと説明し、AIモードの広告を海外の市場へ広げるとしました。Google admits AI search makes less money(Ars Technica)
- Redditが、主にログインして使う形へ移る方針を示し、第4四半期に米国以外の一部の市場で試験を始めます。10月は検索からの流入が週平均で100万件以上減ったとしています。As search traffic dries up, Reddit announces it's shifting to a logged-in experience(TechCrunch)
- OpenAIが出資するThrive Holdingsが、ホームセキュリティ大手のADTを153億ドルの取引で買収します。OpenAI-backed Thrive Holdings acquires ADT(TechCrunch)
- The Vergeによると、Microsoftが従業員の約4分の1にあたる約6万人に希望退職を募っています。Microsoft's AI future has fewer jobs(The Verge)
- ミニアプリを作るAIエージェントのWabiが5,500万ドルを調達し、評価額は12億5,000万ドルになりました。Wabi, the AI agent that builds mini apps, now valued at $1.25B(TechCrunch)
- KDDIアイレットが、社内のAI活用事例113件(エンジニア職63件、それ以外50件)を特設サイトで無料公開しました。KDDI傘下、社内のAI活用事例113件を無料公開(ITmedia AI+)
ソース: AIニュースインボックス(2026年10月30日収集・61件、一次13件・二次48件)から編集部が選定しました。