今日の見出し
- New York Timesなど新聞4紙がブラウザのBraveを提訴——検索の索引を通じて記事をAI企業へ供給と主張
- OpenAIが「Grid Protectors Program」を開始——データセンターの電力需要を送電網の逼迫時に絞る
- ChatGPTが「Chat」と「Work」を統合へ——12月からChatGPTとCodexの利用枠を共通化
今日の主役は、AIを動かすための費用の持ち方です。米国の新聞4紙は、許可も対価もなく記事をAI企業へ流しているとして、ブラウザのBraveを訴えました。OpenAIはデータセンターの電気代を地域の家庭に回さない仕組みを打ち出し、ChatGPTはCodexと利用枠を一つにまとめます。
今日の3本
New York Timesなど新聞4紙がブラウザのBraveを提訴——検索の索引を通じて記事をAI企業へ供給と主張
New York Timesと、Daily News・Chicago Tribune・Orlando Sentinelの3紙が11月2日、ブラウザを手がけるBrave Softwareをニューヨークの連邦地裁にそれぞれ提訴しました。
訴状によると、Braveは身元を明かさないクローラーでウェブを巡回し、自社の検索の索引「Brave Index」に記事を複製しています。サイトの側はこのクローラーを遮断できないと訴状は述べています。Brave自身は、この索引に300億を超えるウェブページが入っていると説明しています。
新聞社側は、Braveが索引への有料のアクセスをAI企業に提供し、Anthropic、Perplexity、Mistral、xAI、Cohereなどに記事を渡していると主張しています。New York Timesの訴状は、Braveを盗まれた著作物の「供給者、ディーラー、流通業者」と呼んでいます。
著作権の侵害に加えて、ブラウザの「Paywall blocker」が有料記事の壁を回避させるとして、技術的な保護手段の回避を禁じるデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の違反も訴えています。訴状はさらに、Braveが記事に付く広告を消して自社の広告を出し、その収入を得ているとして、ニューヨーク州法に基づく不当利得の返還を求めています。New York Timesは損害賠償と差し止めを求め、陪審による審理を請求しました。
- Complaint, The New York Times Co. v. Brave Software, Inc., 1:26-cv-09549(米ニューヨーク州南部地区連邦地裁・CourtListener)
- Complaint, Daily News LP v. Brave Software, Inc., 1:26-cv-09554(米ニューヨーク州南部地区連邦地裁・CourtListener)
- New York Times and other outlets sue web browser Brave over alleged content scraping(TechCrunch)
- The New York Times sues Brave web browser for AI scraping and bypassing paywalls(The Verge)
OpenAIが「Grid Protectors Program」を開始——データセンターの電力需要を送電網の逼迫時に絞る
OpenAIは11月2日、今後建てるデータセンターで、送電網が逼迫した時に電力の使用を減らす取り決めを電力会社や規制当局と結ぶ「Grid Protectors Program」を始めました。
OpenAIはデータセンターを「コンピュート・キャンパス」と呼んでいます。取り決めは場所ごとに作り、どれだけの需要を、どれだけ速く、どれだけの時間減らすかを電力会社と決めます。地域の事情に応じて、敷地内の発電設備や蓄電設備から送電網へ電力を出すことも挙げました。
最初の試行の場は、ジョージア州エフィンガム郡で計画中のキャンパスです。OpenAIは電力の供給に必要なインフラと電気の費用を全額負担するとしており、Georgia Powerとの契約には最大1,000メガワットの需要の調整が含まれます。OpenAIによると、平均的な家庭およそ70万世帯分の電力需要に当たります。
Georgia Powerは、大口需要家との一連の契約と需要の伸びから、2029年以降に年およそ9億5,000万ドルの顧客の負担軽減を見込んでいます。月に1,000キロワット時を使う標準的な家庭で、月15ドル以上の効果があると見積もっています。
大規模な計算施設は自らの費用を払い、電力会社の運用を助けるべきだというのがOpenAIの立場です。追加の約束は、各地の取り決めが固まり次第公表するとしています。
- Introducing the Grid Protectors Program(OpenAI)
- OpenAI pitches data center power plants as a way to protect nearby areas(The Verge)
ChatGPTが「Chat」と「Work」を統合へ——12月からChatGPTとCodexの利用枠を共通化
OpenAIは、ChatGPTのエージェント機能「Work」を通常のChatGPTに統合し、12月からChatGPTとCodexの利用枠を共通にすると利用者に知らせました。
ヘルプページによると、共通化の対象はPlus、Pro、Businessの各プランです。利用量はトークンで測り、使うモデルと作業の内容で減り方が変わります。高度なモデルや複雑な作業ほど多く消費し、すぐに答えるInstantのチャットは利用枠の計算から外れます。
OpenAIは、ほとんどの利用者にとってリセットを待つ頻度は今と同じ程度だと見込んでいます。残りの量とリセットの時刻は「設定」の「使用状況」で確認でき、上限に達した場合はリセットを待つか、プランを上げるか、クレジットを買って使い続けられます。
TechCrunchが伝えた利用者向けのメールによると、統合した画面はまず一部の利用者に提供して意見を集め、その後に広げます。Codexはデスクトップアプリの中で別の画面として残ります。
- Understanding ChatGPT and Codex usage limits(OpenAI Help Center)
- OpenAI is finally merging ChatGPT's Chat and Work tabs(TechCrunch)
- ChatGPTの「Chat」と「Work」統合へ 利用制限はCodexと共通化(ITmedia AI+)
そのほかの動き
ビジネス
- Oracleは11月2日、AI基盤の整備に向けて、普通株式100億ドルと社債(シニアノート)100億ドルを発行する計画を米証券取引委員会(SEC)に届け出ました。使い道は設備投資や債務の返済などを含む一般的な事業目的としています。Oracle files to sell $20 billion in new stock, bonds to finance AI buildout(CNBC)
- イスラエルのスタートアップ42AIが、シードラウンドで6,250万ドルを調達して活動を公表しました。人の判断を確率で予測する「行動の世界モデル」を開発しており、まず一部の証券会社で、相場が荒れた時に個々のトレーダーがどう動くかの予測に使っています。42AI comes out of stealth with $62.5M and a world model that can 'predict human behavior'(TechCrunch)
プロダクト
- SpaceXのAIエージェント「Grok Bot」で、週ごとの利用上限に一夜で達したと一部の利用者が報告し、イーロン・マスク氏は11月1日、Xで「Grok Botの提供コストは収入に比べて持続不能なほど高かった」と書きました。Elon Musk throttles Grok Bot limits due to 'unsustainably high' costs(TechCrunch)
- NVIDIAは11月2日、東京でPC向けのチップ「RTX Spark」の国内発表会を開き、ASUS、デル、日本HP、レノボ、日本マイクロソフト、MSIの6社が搭載PCの展開を示しました。最大128GBのメモリを積み、AIエージェントを手元のPCで動かせる点を打ち出しています。スパコン級チップがノートPCに。RTX Sparkが日本で6社から登場(PC Watch)
- XREALは11月2日、GoogleおよびQualcommと共同開発したARグラス「XREAL AURA」の国内での予約受付を始めました。Android XRとGeminiのAIアシスタントを載せ、11月27日に発売します。価格は22万9,800円と26万9,800円の2モデルです。XREALがGoogleと共同開発した次世代ARグラス「XREAL AURA」を日本でも発売開始(ASCII.jp)
研究
- テレンス・タオ氏のブログに11月2日、カールティク・C・S氏、アミット・サハイ氏、ジエ・シュエ氏の3人が寄稿しました。数学の価値を個人の業績より真理の理解に置けば、AIによる発見があっても数学者の目的は損なわれないと論じています。Egoless Mathematics in the AI Era(What's new/Terence Taoのブログ)
ソース: AIニュースインボックス(2026年11月3日収集・9件、一次3件・二次6件)から編集部が選定しました。