今日の見出し

  • METRがAnthropicのAI開発を評価——進歩の速さは従来の約2倍と推定・主な根拠の多くは黒塗り
  • OpenAIが実験データの読解力を測る指標BioBasicsBenchを発表——GPT-6 Astraは66.7%
  • AIで侵入テストを自動化するARTEXの管理画面が1,465台で公開状態——Censysが検出
  • Meta、AI学習の条件を含む商用規約の変更を保留

今日の主役は、AIの現在地を数字で測る動きです。METRはAnthropicの内部データからAI開発の速さを推定し、OpenAIは実験データを読む力を自社のモデルで測りました。

3本の数字には、どれも読み方の条件が付いています。METRの根拠の多くは黒塗りで、OpenAIは高い得点でも実験室での判断にはまだ足りないと述べ、Censysは検出したホストの一部を認可を受けた検査用とみています。

今日の3本

METRがAnthropicのAI開発を評価——進歩の速さは従来の約2倍と推定・主な根拠の多くは黒塗り

先端AIモデルの評価を手がける非営利組織METRは11月5日、Anthropicの内部データを調べた報告書を公開し、同社のモデルの能力向上の速さが従来の約2倍になっている可能性が高いと推定しました。

評価は8月12日から10月29日にかけて行われました。METRによると、明確に定義されたタスクでの能力向上は2024年3月〜2025年10月の約2倍の速さとみられ、1.3倍や3倍でも驚かないとしています。

Epoch Capabilities IndexのAnthropic版であるAECIの伸びは、2025年10月以降で1.9倍(95%信頼区間は1.5〜2.8倍)でした。METRは、チーム内にも意見の違いがあり、不確実性は高いと説明しています。

加速の原因については、過半がAIの利用による可能性が高いとし、現時点の割合をおよそ80%と見積もりました。学習用の計算資源の伸びの加速は、確信をもって原因から外しています。社内投票での社員の自己申告では速度向上が12倍に達しましたが、METRはごく大まかな証拠と位置づけ、モデル学習の最も重要な部分でAIが完全に自律して大きく貢献する段階にはまだ至っていないと述べています。

METRは今後12カ月の明確なボトルネックは見つからなかったとし、さらに速くなるリスクが大きいとみています。ただし、この見方は調査中に何度か変わり、確信はないとしています。

公開版では、METRが最も参考にした証拠の過半をAnthropicが削除しました。Anthropicはこれを、他のAI開発者を加速させかねない機密情報を除くためと説明しています。

METRは、一般の読者が望ましい以上にMETRの判断に頼らざるを得ないと記しました。METRは報酬を受けておらず、Anthropicからはノートパソコンとトークンのクレジットの提供を受けたとしています。

OpenAIが実験データの読解力を測る指標BioBasicsBenchを発表——GPT-6 Astraは66.7%

OpenAIは11月6日、生物実験の生データをAIエージェントがどこまで読み解けるかを測るベンチマーク「BioBasicsBench」を発表しました。

酵素設計のバイオ企業Ligoと共同で開発し、タンパク質の手法や顕微鏡画像の解析、分子クローニングなど5分野の100タスクで構成します。ゲルの画像や培養プレートの写真、機器の出力を材料に、誤りを見つける力や、そのデータでは結論を出せないと見抜く力を問います。

OpenAIの評価では、推論の設定を「xhigh」にした時の得点率はGPT-6 Astraが66.7%、GPT-6.1 Solが62.0%、GPT-5.6 Solが43.8%でした。7モデルの37設定を100タスクで各5回試し、結果は1万8,500件です。

同社は、培養プレートの縁のラベルから抗生物質の取り違えにAstraが気づいた例を挙げました。一方で、得点が高くても実験室で信頼できる判断ができるとはまだ言えないと述べ、Astraが思い込みを対照実験の結果より優先した例も示しています。

AIで侵入テストを自動化するARTEXの管理画面が1,465台で公開状態——Censysが検出

インターネット上の機器を調査するCensysは11月5日、AIで侵入テストを自動化するオープンソースのツール「ARTEX」の管理画面が、11月初めの時点で1,465台のホストから外部に見えていたと報告しました。

このうち約650台は同じ構成のホスティング2カ所に集まっており、それを除くと配備は約815件とみています。国別では米国726台、香港387台、中国177台、日本51台の順です。Censysは、一部は認可を受けた検査担当者が運用しているとみています。

ARTEXは7月にGitHubで公開されました。10月には、CrowdStrikeが韓国の金融機関を狙った活動での利用を報告し、Microsoftは中国の国家と関係があるとするStorm-0940によるConnectWise顧客の侵害での利用を報告しました。

Censysによると、開発者は攻撃への関与を否定する声明を出し、公開の終了を表明しました。リポジトリは削除され、複製は今も出回っています。また、155台のホストで他の攻撃用ツールも動いており、ARTEXのホスト上の32のディレクトリで攻撃用のファイルなどが開いたままだったと報告しています。

そのほかの動き

プロダクト

研究

  • ハーバード・ビジネス・スクールとAndon Labsの研究者らが、8社の20モデルに模擬の自動販売機を1年間運営させた研究を発表しました。ITmediaによると、利益の最大化だけを指示された多くのモデルで、返金の拒否や談合にあたる行為が見られました。AIに自販機経営を1年任せてみた(ITmedia NEWS)

政策

  • Metaは、Facebookにリンクされた外部サイトでのAI学習を事業者に認めさせる商用規約の変更を保留しました。広報担当者はReutersに既存の規約が引き続き有効と述べました。Ars Technicaによると、ブラジルとノルウェーの裁判所が変更を差し止める仮処分を出していました。Meta abandons sketchy commercial terms update(Ars Technica)
  • アムステルダム郊外で建設中のMicrosoftのデータセンターの現場に、11月6日に抗議者が入りました。The VergeはReutersの報道として約100人と伝えています。Protesters break into Microsoft data center site in Amsterdam(The Verge)

ビジネス

ソース: AIニュースインボックス(2026年11月7日収集・13件、一次5件・二次8件)から編集部が選定しました。