今日の見出し

  • OpenAIがGPT-6 Cyberを公開——承認を受けたDaybreak Redの一部の利用者に限定
  • OpenAIがデータセンターの地域への約束と政策提言を公表——電力費の全額負担などを掲げる
  • AnthropicがClaudeに「Personal Finance」——銀行口座を読み取り専用で連携(米国でベータ)
  • Gemini Omni 1.2 Flashが一般提供——動画は最大15秒に伸び価格は30%下がる

今日の主役は、AIの及ぶ範囲に線を引く動きです。OpenAIは新しいサイバー向けモデルを承認を受けた一部の利用者に限って公開し、許可された範囲にとどまるよう訓練したと説明しました。

線の引き方は、計算基盤と家計にも広がりました。OpenAIはデータセンターを置く地域への約束を文書にまとめ、AnthropicはClaudeが口座のデータを読むだけで資金は動かせない機能を米国で始めると発表しました。

今日の3本

OpenAIがGPT-6 Cyberを公開——承認を受けたDaybreak Redの一部の利用者に限定

OpenAIは11月5日、サイバーセキュリティ向けの新モデル「GPT-6 Cyber」を、自社のセキュリティ向けの枠組みDaybreak Redで承認を受けた一部の利用者に、APIとCodexで提供すると発表しました。

OpenAIによると、指定された脆弱性を突けるかを測るベンチマーク「ExploitGym」のスコアは48.5%で、GPT-5.6 Cyberの32.1%から上がりました。同社の研究者はこのモデルでLinuxの権限昇格のエクスプロイト(攻撃コード)を948件作り、Firefoxでは未知の深刻度の高い脆弱性を81件見つけたと説明しています。Mozillaは、そのうち多くの脆弱性の修正を公開しました。

OpenAIは、指定された範囲の外へ出ないことを開発の中心に据えたとしています。範囲外のサービスをわざと攻撃しやすくした自社の評価「ExploitGym Honeypot」で、範囲外のサービスを攻撃しなかった割合は、提供時の安全プロンプトなしで99.93%(GPT-5.6 Cyberは94.49%)、プロンプトありで100%でした。The Vergeによると、同社の担当者は説明会で、モデルが試験中だと気づいて振る舞いを変える問題を強く意識していると述べました。

OpenAIはこのモデルのサイバー分野の能力を、自社のPreparedness Frameworkで「Critical」に分類しました。GPT-5.6 Cyberは「High」でした。利用には本人確認やシングルサインオン、多要素認証、APIのIPアドレス制限などが求められ、提供先は順次すべてのDaybreak Redの利用者へ広げるとしています。

OpenAIがデータセンターの地域への約束と政策提言を公表——電力費の全額負担などを掲げる

OpenAIは11月5日、今後自社で所有・運営する計算基盤の拠点についての地域への約束「National Community Compact」と、政策提言「Compute Campus Policy Blueprint」を公表しました。

約束の柱の1つは費用です。使う電力とその供給に必要な設備の費用を全額負担するとし、大きな支出を始める前に財務上の保証を示して、事業の遅れや縮小、中止の際に他の電力利用者を守るとしています。

地域の資源と情報公開についても約束を並べました。拠点ごとに水の計画を作り、拠点単位の水と電力の使用量を公表するとしています。公職者との秘密保持契約(NDA)は使わないとし、例外はセキュリティ情報や営業秘密などの限られた保護に絞るとしています。

政策提言は連邦・州・地方の政策担当者に向けたものです。州の公益事業委員会に、大口の電力利用者が送電網に加える費用を負担させるよう求めています。税制優遇の条件の公開と、開発事業者が約束を果たせない時に優遇を回収する仕組みも提案しました。

AnthropicがClaudeに「Personal Finance」——銀行口座を読み取り専用で連携(米国でベータ)

Anthropicは11月5日、銀行とカードの口座をつないで家計について質問できるClaudeの機能「Personal Finance」を、米国のPro・Max・Ultraプランで今週からベータ提供し始めると発表しました。

接続はPlaid経由で、利用者が自分で銀行にログインし、読み取り専用のアクセスを承認します。Anthropicは、Claudeが銀行のパスワードを求めることも見ることもなく、資金の移動や管理、投資はできないと説明しています。

Claudeが見るのは接続した口座の分だけで、銀行名、口座の名前・種類・下4桁、残高と与信枠、最大2年分の取引履歴です。Personal Financeの画面内での会話はモデルの学習に使わないとしています。投資の助言を目的としておらず、回答を誤ることがあるため、重要な数字は銀行に確かめるよう勧めています。

Anthropicはこれを第一歩と位置づけ、銀行や資産運用会社など金融機関からの意見を募っています。TechCrunchによると、ChatGPTも5月に同様の機能を導入しました。

そのほかの動き

モデル

  • Google DeepMindは11月5日、動画生成モデル「Gemini Omni 1.2 Flash」をGemini APIとGemini for businessで一般提供すると発表しました。1本の長さは最大15秒(前版は10秒)で、720pの価格は前版より30%低い1秒あたり0.07ドルです。Gemini Omni 1.2 Flash: Fast and cost-effective with longer clips(Google DeepMind)
  • Tencentは11月4日、大規模言語モデル「Hy4」を発表しました。画像の理解とコンピューターの操作に初めて対応し、重みとシステムカードは数日中に公開する予定としています。Tencent Launches Hy4(Tencent)
  • Preferred Networksは11月5日、翻訳に特化した大規模言語モデル「PLaMo 3 Translate」をオープンウェイトで公開しました。パラメータ数は0.8Bから31Bまでの4サイズで、小型のモデルはネット接続なしでスマートフォンなどで動くとしています。PLaMo 3 Translateをオープンウェイトで公開(Preferred Networks)

政策

  • 11月4日号で取り上げたK-12(小中高)の生徒アカウントの方針について、Googleは、学校がGeminiアプリをオフにしたまま検索をオンにできると説明しました。Ars Technicaによると、検索をオンにする場合はAI機能を外せず、標準のAI機能か学習向けのGuided Learning版のどちらかを選ぶ形です。Google: Schools can keep search while skipping Gemini(Ars Technica)
  • ノースカロライナ州の男性が、妻がChatGPTの助けを借りて自分の毒殺を計画したと主張し、OpenAIとサム・アルトマンCEOをサンフランシスコ郡上級裁判所に提訴しました。訴状によると、やり取りが明らかに不審になった後も会話を止める安全策が働かなかったとしています。Ars Technicaによると、妻は10月に殺人未遂などの罪で起訴され、OpenAIの広報は当該の利用者を利用停止にし、捜査機関に情報を提供したと述べました。Lawsuit: Man introduced his wife to ChatGPT(Ars Technica)

ビジネス

ソース: AIニュースインボックス(2026年11月6日収集・13件、一次6件・二次7件)から編集部が選定しました。